今日の戯れ言:セクサロイドは電気ウナギの夢を見るか

no extension

ブックマークしたネタが溜まってきたので,ここらで吐き出しておく

  1. セクサロイドは電気ウナギの夢を見るか
  2. スマホの緊急通報ってマジ意味あるの?
  3. 「ノーベル賞有力候補に森和俊、坂口志文氏」
  4. 「僕らが守るべきウェブ」とか
  5. 金融インフラを Block Chain で代替する
  6. 「水のような音楽」の結末

セクサロイドは電気ウナギの夢を見るか

Sexbots with a “detrimental effect on society” should be banned, say researchers あたりも合わせて読むと面白いかもしれない。

このキャンペーンの創始者たちは、セックスロボットの開発により「女性と子どもをモノとみなす傾向が助長」され、「女性と子どもが劣った存在であるという認識」が強まるので禁止しなければならないと主張している。

というのはどう考えても言いがかりとしか思えないけどね1。 これだからキリスト教圏の人間ってのは…

これとは対照的に

という記事も見かけてウケてしまった。

これって実は著作権ではなく,いわゆる non-human person の問題であるように思える。だから動物愛護団体が動いているわけだ。 もっとも米国では

NhRPの主張は、チンパンジーにも権利があるというものだ。チンパンジーは人間にこれほどよく似ているのだから、完全な人権とまではいかなくても、少なくともいくつかの基本的な権利を認めるべきだという主張だ。
しかし、12月4日(米国時間)に下された最新の判決は、原告側の敗訴となった。ニューヨーク州の最高裁判所は、知性や感情をもっているとはいえ、チンパンジーは権利をもつ者に期待される社会的義務を果たすことができないと結論付けたのだ。

らしいので,著作権も認められないんじゃないのかなぁ。 だって著作権法って「インセンティブ法」なんでしょ。

ロボットが「モノ」であればどんなに精巧であっても「ダッチワイフ」や「張り型」の延長でしかないし2non-human person だというなら,ヒトの都合で行為を禁止すること自体が「権利の侵害」と見なしうるよね。

そういえば「ロボット法学会」設立らしい。 その準備研究会が10月に開催されるそうな。 いやぁ,スピード感があっていいですな。

スマホの緊急通報ってマジ意味あるの?

これってさぁ,現地の人間にとっては「遅すぎる情報」だし,それ以外の人にとっては興味本位以上の価値はないよね。 地震の緊急通報にしたって,西日本に多い直下型地震の場合は地震を感じてから緊急通報が鳴ったりするわけさ。 ウザいことこの上ない。

一番ウザいのは避難勧告「解除」をわざわざ緊急通報で発信してくさること。 これ避難している人以外には意味のない情報なんだから,避難所にいる人に直接伝えればいいだろ。 なんでスマホに送るかなぁ。

緊急通報ってのは,本当に緊急で,更にそれによって何らかのアクションを取りうる場合には有効だけど,そうでないなら全く無意味な情報でしかなく,無意味な情報が頻発するような「緊急」通報なんかみんなスルーしちゃうよ,そのうち。

「ノーベル賞有力候補に森和俊、坂口志文氏」

ノーベル賞の話題が出ると秋って感じ。

「僕らが守るべきウェブ」とか

yomoyomo さんとこの記事経由

20年後:インターネットの自由という夢の死」も併せて読むとよい。

20年後:インターネットの自由という夢の死」については「『「情報社会」が「社会」になった時代』」でもちょろんと紹介したが,彼らの言う「インターネットの自由」ってのは結局,近代の欲望である「社会的包摂」をそのままネットに持ち込んでいるに過ぎない3。 で,その「社会的包摂」がどうなったかは現代(late modernity)社会をみれば明らかだ。

ネットが「異郷」である時代4 はとっくに終わった。 今や「ネット」も「リアル」もひと続きの「社会」である。 リアルの社会で「社会的包摂」が破綻しているのに,ネットで上手くいく筈がないじゃない。

だから問題は「インターネットの自由」なんてコップの中の話じゃなくて,ネットを含む「社会と自由」をどう整合させていくか,といった感じに「問い」を変えていかなければならない。 意味を失った「問い」の解を探し続けるのは「目的を失った市民運動」と同じくらい害悪である。

そろそろ「インターネット」に引きこもって新参者を dis るのは止めたほうがいいと思うよ。

それは「階級闘争」か?

これに関連するかもしれないけど

これって「階級闘争」というよりはむしろ「相対的剥奪」じゃないのかなぁ。

金融インフラを Block Chain で代替する

私は「それはとても理にかなってるね」と反応する側だが,それよりも日本がようやく「P2P アレルギー」から脱しつつある? と思うと感慨深い。

「水のような音楽」の結末

ストリーミング・サービスってのは結局のところ,今まで「水売り」から買ってた水を「水道局」から買うってことで5,それで儲かってるのは流通を押さえている存在(=出版社)なんだよね。

記事では

現在、ストリーミングサービスから得られるロイヤリティ料が少ないように見えるのは、ストリーミング自体がまだ新しいものだからだ。利用者が登録するほど、16ドルでCDが販売された時代と匹敵するほどの支払いをアーティストは手に入れることができるようになる。

と書かれているが,はっきり言って(音楽)出版社への依存状態を減らしていかないと先はないと思う。 もうパトロンが食客を養う時代じゃないだろう。

ところで国内の音楽ストリーミング・サービスはどれもイマイチだと思っていたが6Google Play Music はかなりマシなサービスだと思う。 いや,私,嗜好が偏ってるから(笑)

でも実は Google Play Music はあまり利用してない。 何故なら私のケータイには既に2千曲以上入ってるし(主に CD から落としたのと Amazon MP3 で買ったやつ),知らない音楽を「発見」するなら SHOUTcast で充分だから。 私があと30歳若かったら違う感想を持ったんだろうけどねぇ。


  1. そういえば手塚治虫さんの名作『火の鳥』の「未来編」では,人類で唯一生き残ったマサトが「彼女」を作るために大量のロボットを作るけど,その度に絶望するシーンがあって子どもながらに衝撃的だった(笑) ↩︎

  2. 性欲がモノに向かっていくなら,むしろ性犯罪の抑制になる? ↩︎

  3. 違うのは「物語(narrative)」ではなく「技術」で包摂しようとしていることだ。 ↩︎

  4. ここでいう「時代」とは,もちろんインターネットのタイムスケールの話だよ。インターネットでは「4年ひと昔」だ。今なら「2年ひと昔」かもしれない。 ↩︎

  5. 島根県松江市みたいに水道代がやたら高いところには当てはまらないかもだけど。 ↩︎

  6. Apple Music は除く。何故なら私は Apple 製品を持ってないから。 ↩︎