週末スペシャル: FBI 曰く「Ransomware 感染時は身代金払え」

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最近,週末に小ネタをまとめて放出するパターンなので「週末スペシャル」と銘打ってみた。

  1. FBI 曰く「Ransomware 感染時は身代金払え」
  2. 移動式プラネタリウム製作資金を集める Crowd-Funding
  3. 家事を「要求開発」する
  4. Facebook のない人生は幸せ?
  5. 日本における TPP 知財のこれから

FBI 曰く「Ransomware 感染時は身代金払え」

まぁ,なんちうか。 いわゆる「身代金」を払えば FBI の仕事だし,それを拒否して何とか暗号化を解除しようとするなら Kaspersky などセキュリティ企業の仕事になる。 要するに「みかじめ料」をどちらに払うのがいいのか,という話である1(笑)

強いて言うなら

身代金を支払うということは、犯罪者に日々の糧を与えるだけでなく、これから行う悪事の資金集めに協力することにもなる

というのはその通りで,企業としてはそういった部分も含めてどのセキュリティ企業と手を組むかってことになると思う。 あと,企業にせよ個人にせよ,セキュリティ対策の「最後の切り札(ace in the hole)」は「バックアップ」である。 ゆめゆめ忘れませぬよう。

移動式プラネタリウム製作資金を集める Crowd-Funding

だそうで,協力したい方,グッズがほしい方は是非。 (募集は終了しました。目標額を大幅に超えて多額の資金を調達できたようです)

家事を「要求開発」する

内容については記事を見ていただくとして,「家事シェアツールを作ってよかったこと」として

  1. 夫が言われなくても家事ができるようになった
  2. どちらかが出来なくても、もう一方ができる
  3. ツールを作るときに、「我が家ルール」を話し合う機会ができる

を挙げていて「なるほど」と思った。 特に3番目。 これって「要求開発」なのだよ。 日本政府も見習って欲しいですね(笑)

Facebook のない人生は幸せ?

Facebook の TL にもちょろんと書いたけど,これって Facebook などの SNS の問題じゃないよね。 強いて言うなら「人間関係嗜癖」の問題と言える。

斎藤環さんの『思春期ポストモダン2』では「ひきこもり系」と「自分探し系」のふたつのモードを紹介している。 上の記事で

この調査結果を受け、「私たちには、自分たちに実際何が必要なのかに注意を向けるのではなく、他人が何を持っているかに注意を向けるという不幸な傾向がある」と著者らは結論付けている。

とあるが,実際には私たちみんなに「他人が何を持っているかに注意を向けるという不幸な傾向」があるのではなく,そういう傾向を持つ「自分探し系」な人たちが一定数いるということだと思う。 そういう人たちにとっては Facebook のような「人間関係」をデフォルメする SNS は劇薬だろうし,「回復」のためにそこから離れてみるというのはアリだと思う。

SNS は相手との距離感をはかるのが難しい側面はあるし,私もそれで時々失敗するが,上手に使えば良い道具ではある。

日本における TPP 知財のこれから

さぁ! これからが本番だよ。

検討項目は以下のとおり。

  1. 著作物等の保護期間の延長
  2. 著作権等侵害罪の一部非親告罪化
  3. 著作物等の利用を管理する効果的な技術的手段(アクセスコントロール)に関する制度整備
  4. 配信音源の二次使用に対する使用料請求の付与
  5. 法定の損害賠償又は追加的な損害賠償に係る制度整備

非親告罪化については対象の範囲をどう規定するかが問題(個人的にはないほうがいいけど)。 いわゆる「技術的保護手段」の迂回についてはなんでも NG にするのではなく「公正な利用」を考慮する必要がある。 問題は 1, 4, 5 かな。

この中で著作権の保護期間が70年に延長された場合にどの程度のインパクトがあるか試算されていて

すると、1945年1月1日から1964年12月31日の間に亡くなった方は311人で、その作品数は6,885。
もし、2015年11月11日に著作権保護期間が50年から70年に移行したとすると、公開されている作品数が13,354なので、13,354-6,885=6,469 。つまり、6,885は著作権が復活して読めなくなり、青空文庫で読めるのは半分以下の6,469、という計算になる。

まぁ鵜呑みには出来ない数字だが,無視するにはインパクトが大きい感じ。 保護期間の延長というのは「公有財産の私有化」にほかならない。

というわけで,この「しっぽのさきっちょ」でもキャンペーン・バナーを表示することにした。 改めて著作権保護期間の延長に反対します。

TPP 知財の中身についての詳細情報は以下が参考になる。

参考図書

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要求開発~価値ある要求を導き出すプロセスとモデリング
山岸 耕二 (著), 安井 昌男 (著), 萩本 順三 (著), 河野 正幸 (著), 野田 伊佐夫 (著), 平鍋 健児 (著), 細川 努 (著), 依田 智夫 (著), [要求開発アライアンス] (著)
日経BP 2006-03-02
単行本
4822282686 (ASIN), 9784822282684 (EAN), 4822282686 (ISBN)

「要求定義」から「要求開発」へ

reviewed by Spiegel on 2015-08-31 (powered by PA-APIv5)

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思春期ポストモダン 成熟はいかにして可能か
斎藤環 (著)
幻冬舎 (Release 2013-05-31)
Kindle版
B00CZCW9BE (ASIN)
評価     

終わらない思春期の2つのモードについて。

reviewed by Spiegel on 2015-11-14 (powered by PA-APIv5)

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嗜癖する人間関係―親密になるのが怖い
アン・ウィルソン シェフ (著), Schaef,Anne Wilson (原著), 克子, 高畠 (翻訳)
誠信書房 1999-01-01
単行本
4414429145 (ASIN), 9784414429145 (EAN), 4414429145 (ISBN)
評価     

終盤になると「霊性」という単語が頻出するけど,日本のいわゆる「スピリチュアル」や類似のカルトの言説とは意味が異なるのでご注意を。

reviewed by Spiegel on 2014-10-30 (powered by PA-APIv5)


  1. 古今東西,ヤクザとケーサツ,強盗と税務署は同類だからね。 ↩︎

  2. 最近の斎藤環さんの著作は「う~んな感じ」だが,このころの著作本は好き。 ↩︎