内容に関係のない広告で掠りをとるやり方はゼロ年代で終わってる

no extension

何故だかよく分からないのだが,私の観測範囲で広告ブロックアプリが話題になっているようなので,便乗して書いておく。

ちなみに私は広告ブロックツール自体は使ってない。 そのツールを使うこと自体が鬱陶しいし,セキュリティ上ヤバそうな場所(アダルトサイトや儲け話をするサイト)には行かないことにしている。 しかし,私が携帯端末で使っている VPN アプリ Freedome は追跡用のコードをブロックしているため,追跡型広告は事実上ブロックしていることになる。 実際 Freedome だけでかなりの数をブロックしているようだ。

追跡コードをブロックするとトラフィックが改善するという報告はある。

サイト運営者はこのことをもっと重く捉えるべきだと思う。 その追跡コードは本当に必要なのですか?

広告の是非については Web 2.0 から言われていることで今更感が漂う話ではあるが,ひとつ言えるのは「内容に関係のない広告で掠りをとるやり方はゼロ年代で終わってる」ということだ。

「広告がユーザを追い回す」現代では,(追跡型)広告は,ユーザから見て明確にリスクである。 ユーザが広告をコントロールできるのでなければ「広告がユーザを追い回す」ことを喜ぶのは,その筋の方々だけだろう1。 故にユーザが広告をブロックすることに対しサイト運営者が文句や愚痴を言うのは,全く以て言いがかりである。

最近はユーザが広告をブロックすると内容を見せなくするツールがあるそうだが,わざわざブロック・アプリを導入している人が,内容が見れないからといって広告ブロックを解除しようなどとは普通は考えないだろう。

現在はクリエイターが自身の activity を通してコンテンツの価値を上げマネタイズしていく時代である。 日本の note.nu なんてまんまその発想だし,もっと広く見回してみれば platisher (platform+publisher) の議論なども当てはまるだろう。

ユーザはバカではない。 Web 上にあるものの何に価値があるのか既に知っている。 価値の無いものにいくら広告を付けても,その事自体が忌避の対象になるだけだ。


  1. これを比較的うまくやっているのが,実は Facebook である。 Facebook ではタイムライン上に現れる広告をある程度(いや,かなり)チューニングできる。完全にコントロールできるわけではないのが惜しいけど。 ↩︎