だれがパトロンなのか

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個人的にはこの記事に激しく同意する。 何故って今の日本の出版社は担当者が海外からのオファーを勝手に断ったり印税率を3%まで値切ってるって話じゃない。 そんな状況下でせっせと本を売って私たちがそれを買って,本当にそれで作家は幸せになれるのかい?

私はもう50年生きてる「おっさん」だけど作家の名前だけで買ってる本は殆どない。 たぶん竹本泉さんと高橋葉介さんくらいだろう1。 もちろん他にも好きな作家さんはいるがすべての作品を無条件に好きというわけではない。 ある作品が面白かったからといってその作家の次の作品が面白いとは限らない。 本はアウトプットされた「成果」が全て。 今時の言い方をするなら「作家は書いてナンボ,売れてナンボ2」である。

米国では出版社が作家を支えるシステムがあるそうだ。 たとえば印税の前渡し制度(「アドバンス」と呼ばれるらしい)などである。 作家が安心して執筆活動を続けられるよう「投資」するわけだ。 その上で出版物が売れるよう出版社はあらゆる手段を尽くす(投資したのだから回収しなくちゃね)。 この中には当然 E ブックも含まれる。

日本の出版社が作家に対してこのような「投資」を行っているようには(読者からは)とても見えない。 出版社に依存している作家は戦前の「小作農」のようである。 とはいえ日本の出版社がパトロンとして機能していないことは非難すべきことではない。 しかし,そうであるならば「本の売上で出版社が作家達を支える」という発想が無理筋であることは容易に理解できるはずである。

作家活動には色々なやり方がある。 これまでどおり出版社とタッグを組んでいく方法もあれば,作家自身がプロモーションを行う場合もあるだろう。 自己出版(self publishing)でブレイクして映画化までされるパターンだってあるのだ。 ただ出版社(や出版エージェント)と組むのなら,お互い対等な立場でパートナーシップを組んでいかなければ作家は搾取されるだけになる。 いや,これは作家だけの話じゃなく個人事業主や私のようなフリーランスで活動している人間はみんな同じなのだが。

日本には「タニマチ」とか「タカラヅカ」とかいったファンが直接対象を支えるシステムがある。 もしある作家さんが好きでその活動を支えたいと読者が考えるなら,もっとその作家の活動そのものにコミットしていくべきなんじゃないだろうか。

昔は紙媒体を通じて間接的にしかできなかったことが今はネット等を通じて直接できる。 出版社が出版してくれなくても Web 連載や自己出版などを通じて発表できる機会もある。 あるいは昨年 Creative Commons がやったようにクラウド・ファンディングで出資者を募ることだってできるだろう。

作家がその気になればいくらでも接点や機会はつくれるのである3

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ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書)
大原 ケイ
アスキー・メディアワークス 2010-09-09
Book 新書
ASIN: 4048689606, EAN: 9784048689601
評価     

電子書籍に関する本を読むなら最初にこの本を読むことをお勧めする。

reviewed by Spiegel on 2014-10-18 (powered by amazon-item 0.2.1)

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アメリカの電子書籍“ブーム”は今 (カドカワ・ミニッツブック)
大原 ケイ
ブックウォーカー 2014-05-15 (Release 2014-05-15)
eBooks Kindle版
ASIN: B00KAOQXTS
評価     

『ルポ 電子書籍大国アメリカ』の続編的な位置づけ。2013年米国の出版状況の分析と今後についての予測。

reviewed by Spiegel on 2014-10-18 (powered by amazon-item 0.2.1)

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メェ~探偵フワロ (まんがタイムコミックス)
ナントカ
芳文社 2014-04-07 (Release 2014-04-07)
Book コミック
ASIN: 4832252836, EAN: 9784832252837
評価     

ローストビーフをモリモリ食べる(あらゆる意味で)肉食系のヒツジを描けるのはナントカさんしかいない!

reviewed by Spiegel on 2016-03-07 (powered by amazon-item 0.2.1)


  1. 最近は逢空万太さんの芸風がお気に入りで,彼の本は割と買ってる気がする。 [return]
  2. ナントカさん作『メェ~探偵フワロ』より。 [return]
  3. もちろんそれで売れるかどうかは別問題だけど。 [return]