原爆記念日

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そういえば昨年の今日,こんな記事を Facebook のタイムラインに投げたんだった。 折角なので少し手直ししてこちらに再掲載する。 まっ,思いつきで書いた雑な内容であるが(いつもそうですねすみません),今年もまた今日この日をきっかけに色々議論してもいいだろう。

Lanterns on the water of MOTOYASU river
Lanterns on the water of MOTOYASU river

思えば日本のような幸運な国は他にはあまり類を見ない。 太平洋戦争は日本にとって政治的にも経済的にも心理的にも壊滅的なダメージとなったが,それでも東西(いや地理的には南北?)に分割されることもなく,極端な独裁政権に走ることもなく,隣で起きた戦争に巻き込まれることもなく(もし当時に「集団的自衛権」なるものが存在したら朝鮮半島やベトナムに行った挙句,再び深刻なダメージを被っていただろう),20年足らずでオリンピックが開催できるほどの経済復興を果たしたのだ。

もちろんこれらのことは偶然の幸運などではなく当時の方々の大きな努力の成果ではあるが,同じことをもう一回やれと言われてもまず無理だろう。 実際,戦後に米ソが介入した国でまともに復興できた国はほとんどなく,いずれも「冷戦後」を待たなければならなかった。

たとえば,日本はイラク戦争において戦後初めて「参戦」したわけだが,そのイラク戦争は結果的に中東の政治空白地帯を拡大し IS のような武装組織の拡大を許すことになる1。 また「アラブの春」は中東に大きな変化をもたらしたが,その後比較的うまくいってるのはチュニジアくらいで,そのチュニジアも経済問題を解決できずなかなかに苦労しているようである。

軍事力が不要などとは言わないが2,今や軍事力だけで解決できることは多くないし行使した結果が事態の悪化を招くこともある。 日本は冷戦時代に貫いた軍事不介入の原則を誇るべきで,その上でイラク戦争参戦とその結果がもたらしたものをきちんと総括し,将来に向けた有意味な議論を行ってほしい,と8月6日にあたって改めて思うのだった。

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【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)
池内 恵
新潮社 2016-05-27
評価

増補新版 イスラーム世界の論じ方 中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書 490) 世界地図の中で考える (新潮選書) アステイオン84 【特集】帝国の崩壊と呪縛 憲法改正とは何か: アメリカ改憲史から考える (新潮選書)

欧州および中東の近代および現代を「サイクス=ピコ協定」を特異点として網羅的に解説していいる。

reviewed by Spiegel on 2016-07-02 (powered by G-Tools)


  1. まぁこれは 9.11 以降の米国の軍事戦略の転換(と混乱)も影響しているのだが。 [return]
  2. だから日本は憲法改正して自衛隊を正式に軍として承認・コントロールすべき,と個人的に主張する。そうすれば「集団的自衛権」が云々といった議論は無意味になる。日本のそれは civilian control などではなく文官による軍事力の乱用である。 [return]