全ての広告は「注目の搾取(spam)」

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(“spam” と書こうとして手が滑って “smap” って書いちゃったよ。はっ。ひょっとして SMAP の真の意味ってそういうことなのか? www

昨年で個人的に変わったことと言えば Twitter と Tumblr をよく見るようになったことだが

現在も Twitter についてはタイムラインに広告をかますアカウントは問答無用でブロックしている(retweet で流れてくる広告は例外)。 一方,同じタイムライン・サービスでも Facebook については,よほど不快なものでない限り許容してきた。 これは, Facebook がタイムライン上のユーザの行動を監視していて,それに基づいて広告表示を「いい感じに」コントロールしていたため,広告自体にあまり不快感を感じなかったからである。

しかし,ここのところの「広告 DoS 攻撃」には参ってしまった。 数記事ごとに広告が入るってどういうことやねん!

というわけで Facebook では原則として「広告」記事は全て spam として報告することにした。 それでもやってくるものについては更に踏み込んで「不快な記事」として報告する。 逆に興味のあるもの(殆どないが)については Facebook ページを follow することで許容する1。 これでしばらく様子を見る。

ちなみに Tumblr は広告少なめなので今のところは放置中。 というか Tumblr で正規の手段で広告をブロックする方法が分からん(金を払えばいいのか?)。 Instagram は個人的な認識では「インスタント写真を他サービスに拡散するサービス」なので Instagram 自体のタイムラインは殆ど見ない。 この傾向は Instagram のタイムラインが時系列に並ばなくなってから更に強まった2

本当はこういうことはしたくなかった。

広告というのは一種の「誤配」である。 「誤配」はネガティブに言えばノイズだが,ポジティブに言えばフィルターバブル(あるいは想像力の地平線)の向こう側からやってくる貴重なメッセージでもある。 Facebook の広告はその辺の匙加減が比較的上手い印象だったのだが,最早そういう「季節」は終わったようだ。

やはり全ての広告は「注目の搾取 (spam) 」ということなのだろうか。

タイムラインは個人の 趣味・嗜好・性癖 等が色濃く反映される。 つまり,公開された情報で構成されているにも関わらずプライバシーの最前線である3。 タイムライン・サービスにおける広告とは,そういった「プラバシー領域を金で買う」ことに他ならない。 マネタイズとしては本当に下種なことである。

ブックマーク

参考図書

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フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF)
イーライ・パリサー (著), 井口耕二 (翻訳)
早川書房 2016-03-09
文庫
4150504598 (ASIN), 9784150504595 (EAN), 4150504598 (ISBN), 9784150504595 (ISBN)
評価     

ネットにおいて私たちは自由ではなく,それと知らず「フィルターバブル」に捕らわれている。

reviewed by Spiegel on 2016-05-07 (powered by PA-APIv5)

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スパム[spam]:インターネットのダークサイド
フィン・ブラントン (著), 生貝直人 (監修), 成原慧 (監修), 松浦俊輔 (翻訳)
河出書房新社 2015-12-25
単行本
430924744X (ASIN), 9784309247441 (EAN), 430924744X (ISBN)
評価     

とりあえず読みづらい。修飾語が多すぎるよ。ギリシア神話かっての。

reviewed by Spiegel on 2016-12-10 (powered by PA-APIv5)


  1. 一応説明すると Facebook は随分前から follow 機能を導入している。これによって「友達」にならなくても「いいね」しなくても継続的に記事を見ることができる(ただし follow を許容しない場合や公開範囲を絞っている場合は見れないが)。この機能もあって Facebook で面識のない人に「友達」申請する必要がなくなった。逆に誰も彼も「友達」承認する必要もなくなったが。 ↩︎

  2. そういえば「インスタおじさん」記事に笑ってしまった。新参者は君らの方だよ(笑) Instagram が「先進的」だったのは(Facebook に買収される)2012年くらいまでで,それ以後はいわゆる「馬鹿に見つかった」状態になっている。流行に敏感な子どもはもう Instagram に居ないだろう。日本は2周も3周も周回遅れなのでどうかわからないが。 ↩︎

  3. つまりネットにおけるプライバシーは単なる個人(データで構成される)情報の塊ではなく情報間をつなぐ「行間」や「文脈」が非常に重要だということであり, Twitter や Facebook などのタイムライン・サービスはそれを握っていることになる。 ↩︎