GDPR で加速するインターネット分断

no extension

(タイトルは釣りですw

GDPR 施行でさっそく面白くなってるねぇ。

GDPR 回避のためにいわゆる「リージョン・ブロック(Region Block)」を行うというのは割と安直でありがちな対処だろう。 GDPR が面倒なら EU に見せなければいいのである。

リージョン・ブロックはストリーミング・サービスやオンライン・ゲームなどでは割とありふれている。 Kindle もリージョン・ブロックがかかっている。 紙の漫画なら最悪でも個人輸入という手があるけど,電子版はがっちりロックが掛かっていて(正攻法では)閲覧できない。 そりゃあ「漫画村」みたいなのが流行るわけだよね(もうないけど)1

そういえば,ゼロ年代にあったイラク戦争のときは,戦争に賛同する国からのアクセスをブロックするサイトも結構あったものである。

一方で,もっとありふれてるのが「利用規約に文句があるなら利用を止めてください」である。

まぁ,これも真理かな。

早くも訴訟騒ぎになっているようだが,勝てるのだろうか。 もしサービスがある事自体が罪だというのなら,それこそリージョン・ブロックするしかない。

結局 GDPR ってのはプライバシーなんかどうでもくて,ネット上に「境界」を作るための大義でしかないわけだ。 現代は政治・思想・倫理・道徳をリスクとして分断する「排除型社会」なのだから寧ろこれは当然の成り行きだろう。

GDPR は「技術で社会は変わらない」という典型的な例と言えよう。 社会を変えるのはあくまでも社会を構成する「ヒト」である。

そして本来の “Internet” はますます周辺化する。

ブックマーク

参考図書

photo
排除型社会―後期近代における犯罪・雇用・差異
ジョック ヤング Jock Young
洛北出版 2007-03
評価

後期近代の眩暈―排除から過剰包摂へ 断片的なものの社会学 スティグマの社会学―烙印を押されたアイデンティティ 新しい貧困 労働消費主義ニュープア 弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)

感想はこちら

reviewed by Spiegel on 2015-09-15 (powered by G-Tools)


  1. そもそも漫画コンテンツに日本以外のユーザがどの程度いるのか分からない。でも,映像にしろ漫画にしろ,リージョン・フリーのコンテンツを求めるなら海賊版サイトに行くしかないというのは確かにある。 [return]