スポーツという「コモンズの悲劇」

no extension

SF 作家(多分)の野尻抱介さんによれば「黄色矮星人は2人いれば力比べを始める」そうだ。 この「力比べ」を「スポーツ」の域にまで昇華させたことは人類最大の功績のひとつだろう。 一方でスポーツそのものを自らの権益拡大の手段に使う行為はスポーツからの逸脱(deviation)につながる。 これは関係者たちがどのように言い繕おうがが変わらない1

ではこの「逸脱」をどのように解釈するかであるが,流石は essa さんだわ。

はてダに移られてからは彼の文章をほとんど読まなくなったが,ご健在のようでなによりである。

この記事を読むときにポイントとなるのは「4つの規制」である。 「4つの規制」は新シカゴ学派の理論大系で出てくる概念で,法(Law)・規範(Norm)・市場(Market)・アーキテクチャ(Architecture)とそれらの相克関係を指す。 中でも法は「規制を規制するもの(meta-regulator)」であり,他の3規制を法によって規制することで「主体」を規制することが可能であるとされている。 スポーツのルールは「法」に相当する。

つまり上の記事の「コモンズを巡る葛藤」というのは「規範」側と「市場」側との間の葛藤であり,その結果として「市場」が克ってしまったが故の「逸脱」だと言っているわけだ。

そしてこの葛藤と(その結果としての)逸脱を解消したいのであれば他の2規制(法とアーキテクチャ)を強化するしかない。 市場が規範に克ってしまったのだから,その解決を規範に求めるのは悪手である。 まぁ規範が効かないスポーツなんかテレビ・ゲームと変わらないけど(笑)

そう考えると確かに「コモンズの悲劇」と言えるかもしれない。

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参考図書

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CODE VERSION 2.0
ローレンス・レッシグ
山形浩生 (翻訳)
翔泳社 2007-12-19 (Release 2016-03-14)
eBooks Kindle版
ASIN: B01CYDGUV8
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前著『CODE』改訂版。

reviewed by Spiegel on 2018-11-17 (powered by amazon-item v0.2.0)


  1. 故に私にとってこのような逸脱を行う連中は侮蔑の対象だし,それを許容する「アマチュア・スポーツ」全体も同罪だと思っている。 [return]