『シン・ゴジラ』を観た

no extension

なんだか妙に大絶賛のこの作品。 はっきり言って私は全く期待していなかった。

第1に私は「ゴジラは第1作目が最強」という「ゴジラ原理主義者」である。 第2に私は庵野秀明さんを「監督」として全く評価していない。 いや,いなかった。

だいたい,アニメータが実写映画に手を出すと(ネタとしては面白いが)ろくな結果にならないのは歴史が証明するところである。 しかも庵野秀明さんは「エヴァンゲリオン」において,ある意味「日本のアニメ」を殺した人である1

今回観る気になったのは Facebook で友人が強く勧めてくれたからに他ならない。 それがなかったらこの夏休みは多分「仮面ライダーゴースト」を観に行っていたことだろう(いや今からでも行っていいのだが)。 最初から色眼鏡越しにしか見れない私はこの作品を純粋に楽しめないんだろうな,と半ば諦めてさえいた。

結論を言おう。

マジすんませんでした m(_ _)m

これだよこれ。 怪獣映画ってのは圧倒的な重量感と破壊力で人類を蹂躙しなければウソというものである。 それなくしてなにが「怪獣」か2。 怪獣映画はパニック映画ではないのだ。 人類側のパニックは「怪獣」の強さを引き立てる調味料でしかない。 久しぶりにアドレナリン出まくりで大量に汗をかいてしまった。

2013年に『パシフィック・リム』を観たとき

ハリウッドの有り余るリソースでこんなもん作られた日にゃあ日本の映画はもう太刀打ち出来ないよね。

と思った。 まじで。 だって今の日本映画ってやっすいコメディかサスペンス,あるいは「お涙頂戴」のゴミ映画ばっかりじゃん。 私の中では「日本映画」というだけで70点減点なのだ。 だから(今の)日本で「ゴジラ」が作れるとは露ほども思っていなかった。

シン・ゴジラ』は過去のゴジラ・シリーズ(ハリウッド版も含めて!)に目配せしつつ,ちゃっかり(あのシーンやあの作品を連想させるような)庵野秀明作品っぽさも内包している。 これは「ゴジラ」の劣化コピーではなくれっきとした「作品」である。 傑作と言っちゃってもいいかもしれない。 きっと,いや間違いなく庵野秀明さんの代表作になるだろう。


んー。 ネタバレはないよな。 よし。

以上,いつもの感想文でした。 そうそう。 いつもの愚痴も書いとかなきゃ。

「映画泥棒」の広告はいい加減止めようや。 悪質な客には効果ないし,善良な客はむかつくだけだ。 そして圧倒的多数の客は「善良」なのである。 「あなたのマナーに感謝します」だけでいいじゃない。 なんで金払って見に来てる客を泥棒呼ばわりするかな。 私は「悪法も法」とは思わないからね。

参考

参考図書

photo
まりかセヴン : 1 (アクションコミックス)
伊藤伸平 (著)
双葉社 2011-10-28 (Release 2013-10-30)
Kindle版
B00GBT7LH4 (ASIN)
評価     

だれか「まりかセヴン」をアニメ化してくれないかなぁ。深夜アニメでいいからさ。

reviewed by Spiegel on 2016-08-14 (powered by PA-APIv5)


  1. 今のTVアニメや劇場アニメは彼がぶっ壊した「日本のアニメ」の残骸で作ったジャンクアートのようなものだ(ちなみにジャンクアートは大好物だ)。 ↩︎

  2. ハリウッドでさえ既存の地球生物をベースにした想像力でしか「怪獣」を描けなかったのだ。 ↩︎