いまさら 『千と千尋の神隠し』 感想文(再掲載)
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湯女(ゆな)は、江戸時代の温泉宿で垢すりや髪すきに加え、売春を提供した女性である。江戸幕府は明暦3年(1657年)以降、湯女の売春を吉原遊郭のみに限定したが、温泉宿は“あかかき女”“風呂屋者”などの別称で幕府の禁止令を逃れようとした。 pic.twitter.com/GBnV2mm0KQ
— TAKUMI™画集発売中Ⓜ︎ (@takumitoxin) 2015年6月3日
子供の頃は気付かなかったけど、湯女達が無駄に色っぽく描かれている点や最上階の極端な豪勢さと風呂屋に似つかわしくない金銀宝石類や調度品、湯婆婆の衣装が19世紀西洋売春宿の女主人風である事、彼女が「死ぬより辛い仕事」と形容したのがただの雑用を指していた訳ではない事も全て腑に落ちた。
— TAKUMI™画集発売中Ⓜ︎ (@takumitoxin) 2017年1月20日
これ見て大昔に書いた感想文を思い出した。 やっぱ子どもは見ても分からんよねぇ。
ちうわけで,2003年当時に書いた感想文を再掲載してみる。 これを読んでジブリ・アニメの悪趣味具合を少しでも感じていただけたら幸いである。
面白いじゃん。 『千と千尋の神隠し』ってネット上ではあまり評価が高くないのでもっと陳腐なものかと思っていた。 勿論制作側の意図やキャッチコピーや世間の大方の評価についてはまるで知らないが(知らないフリをするが),全体の感想としてはなかなか悪趣味な感じで非常によろしい。 まぁ私ならこの作品を R 指定にするけどね。 だってこっぱずかしいじゃん。 『千と千尋の神隠し』の描写は明らかに日本の色町の風景だよなぁ。 そういう意味じゃ,海外から見てあれが「日本的」と評されているのはあながち的外れでもない訳だ。
まぁ私も「同伴」の際,待ち合わせ場所でリビング・デッドのごとく立ちんぼ状態になっていることもあるが,『千と千尋の神隠し』の序盤の夕暮れシーンなどはまさにあの時の情景にぴったりハマる。 ハマり過ぎる! 更に「カオナシ」君の奇行に至っては完全に悪酔いサラリーマンのそれと同じである。 揚げ句に女の子に店の外にまで連れ出されて「家」(もしくはトラ箱)まで強制連行されてしまうあたりまでそっくし。 ほらほら,身に覚えある人いるでしょう。 あの世界の人外キャラ達は,実世界の盛り場の男と女(しかも男から見たイメージ)を奇怪(グロテスク)にデフォルメしたものに過ぎない。 きっとこの作品には主人公はいない。 主題も(あるようで)ない。 鳥羽僧正の鳥獣戯画の如きものである。 (そんなに高級じゃない? そりゃすまん)
千とハクの役は日本の色町のお祭りな夜の風景を浮き上がらせる「プローブ」のようなものなのだろう。 だから作品世界では常に異質な存在だし成長もしない。 どのみち子供が見て理解できる内容ではないと思う。 親子でこの作品を観て親は子供にどう説明するのだろう。 特に男親の反応が見てみたい。
これを改めて読んで思い出したが,若い頃は本当に悪い飲み方をしてたなぁ。 「若気の至り」とか「武勇伝」なんてもんじゃなくて,これは本当に「黒歴史」だよ。 まぁ昔と今では貞操観念も異なるしね。 しょうがないか。