2018年の主な暦象
年末ですねぇ。 年末といえば『天文年鑑』ですね。 創刊70年だってさ。
2018年版の『天文年鑑』をつらつらと眺めながら2018年の主な暦象を紹介する。
流星群
2018年は8月のペルセウス座流星群と12月のふたご座流星群の条件がいいようだ。 どちらも安定して HR50 (条件の良い場所で目視で1時間に50個程度)くらいはいける。 たぶん国立天文台がまたキャンペーンを張ると思う。
他には4月のこと座流星群や10月のりゅう座流星群が条件がいいようだ。 特にりゅう座流星群は母天体(21P/Giacobini-Zinner)が通り過ぎた直後なので,もしかしたらかなり流れるかもしれない1。
日食・月食
2018年は部分日食が3回,皆既月食が2回ある。 日食は3回とも日本では見られない。
1月31日から2月1日にかけて日本全国で皆既月食が見られる。 皆既食の始まりが22時前からなので,ちょっと夜更かしする感じで見られるだろう。 防寒に注意。
7月28日の皆既月食も全国で見られるが,皆既食の始まりが早朝の4時半頃なのでちょっと厳しいか。
惑星
2018年は何といっても火星大接近の年である。 2003年から15年ぶりの大接近となる。 2018年と同程度の大接近は2035年9月となる(火星の接近自体は2年2ヶ月ごとに起きるので次回2020年10月は中接近となる)。
火星最接近は7月31日(衝が7月28日)だが,その時期は地上からは高度が低めであまり観測に向いていない。 2018年前半が観測好機になると思われる。
彗星
流星群の節で紹介したように 21P/Giacobini-Zinner 彗星が近日点を通過し,その直後のりゅう座流星群の活動が活発になる可能性がある。
12月13日に 46P/Wirtanen 彗星が近日点を通過するが,肉眼で観測できる可能性がある。 地球から0.078天文単位まで接近するらしい。
その他
2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」が2018年中頃に小惑星「リュウグウ」に到着する。 1年半かけて観測を行い,サンプル・リターンで地球に返ってくるのは2020年末の予定である。
他にはこんな感じ。
- 春分の日は3月21日(水),秋分の日は9月23日(日)である。更に夏至は6月21日,冬至は12月22日となる。ちなみに秋分の日の翌日の振替休日は中秋の名月となる
- 立春は2月4日,立夏は5月5日,立秋は8月7日,立冬は11月7日
- 2018年の「伝統的七夕」は8月17日
みなさん良い年を迎えましょう。 いや,今年はまだまだ続くけどね。
ブックマーク
参考図書
- 天文年鑑 2018年版
- 天文年鑑編集委員会 (編集)
- 誠文堂新光社 2017-11-21
- 単行本
- 4416717407 (ASIN), 9784416717400 (EAN), 4416717407 (ISBN)
- 評価
天文ファン必携。2018年版。
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予報では 21P/Giacobini-Zinner が放出するダスト・トレイルとの接近は日本時間の10月9日午前中とされているので微妙なところである。が,予報は予報なので,極大(10月9日)前後2,3日で継続的に観測するといいだろう。 ↩︎