新元号「文字」という技術的負債
最初に言っておくと,私は「日常生活に元号は必要ない」と思っている。 私の自動車運転免許証は「平成33年まで有効」なんだぜ。 平成33年なんか永遠に来ないんだから,更新せずに死ぬまで(または免許証を返上するまで)使っていいってことか(笑)
まじか。 いや,馬鹿か!
この手の「互換文字」は他の文字セット(既存の JIS 文字セットや Shift-JIS 外字など)との互換性のために収録されているものであり,本来あるべきではない「重複符号化」である。
もし Unicode に収録するとなると,それは Unicode だけの問題では済まなくなる。 少なくとも JIS X 0213 にも収録しないといけなくなるだろう。 するとまた文字セットのバージョン間の互換性問題が発生するわけだ。
更には文字を表示するフォントも用意しなくてはいけなくなる。 言っとくけど商用フォントだけじゃなくて Linux 等で使うフリー(自由)なフォントも影響を受けるんだからね。
そこまでのコストをかけ,リスクを犯してまでやる価値のあることなのか? 長くても数十年で代わる年号のために毎回こんな大騒ぎをするつもりなのか。 これに比べれば「うるう秒」とか可愛いもんだよな。
これは間違いなく 「技術的負債」 である。 技術的負債は取り除くのが「未来の子どもたち1」に対する正しい姿勢である。
改めて提案しよう。
「日常生活に元号は必要ない」
これを機会にまずは役所の書類から元号を一掃して西暦に統一すべき2。 役所の書類を書く度に変換表のページをグーグル先生に訊くのは面倒なんだってば(しかもそういうページに限ってケータイでは読みにくい)。
役所書類を西暦に統一すれば日本企業も追随するだろう。 そのうち「改元特需」とかいい出す輩が出るだろうけど,黙らせろ。
元号をなくせとまでは言わない。 宗教暦や宗教行事(冠婚葬祭など)には元号を用いたほうがいい場合もあるだろう。 そういうときは大手を振って元号を使えばよい。 大昔は「授時」とか「正朔を奉ず」とか言って為政者が代わる度に「臣民」に暦を与えるのがあたり前だったけど,近代国家で今だにそんなことをしてる国は珍しいと思うし,まぁ自慢してもいいだろう。 私はしないけど。
ブックマーク
- GitHub - 1l0/sumeragi: Japanese calendar : 皇紀や元号を出力する Go 言語パッケージ
- Unicode 12.0正式版が登場。日本語では小文字の「ゐ」「ゑ」「を」「ヰ」「ヱ」「ヲ」「ン」が追加。新元号が発表され次第、次の12.1で新元号キャラクタを追加 - Publickey
- 日本の新しい元号がインターネットをほんの少し混乱させた理由 | TechCrunch Japan
- Adobe、新元号“令和”の合字を追加した「源ノ角ゴシック」v2.001をリリース - 窓の杜
- 情報処理推進機構、新元号“令和”の合字に対応した「IPAexフォント」v004.01を公開 - 窓の杜
- 新元号“令和”の合字に対応した無料の明朝体フォント「IPAmj明朝フォント」v006.01 - 窓の杜