出版業界の自殺に日本のネットを巻き込まないで欲しい

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まぁロイターなら短期間でページがなくなることはないだろうし,リンクを張っても大丈夫だろう。

「漫画村」ごときのために日本は最悪の決断をするようだ。

はっきり言うが,少なくとも商業出版において日本のマンガやアニメは既に死に体である。 しかし,省庁にとってみれば「規制は利権」なのだ。 業界が「お願い」すれば喜々として「貸し」を作ろうとするだろう。 実際に効果があろうとなかろうとだ。 それは,日本の著作権法における「輸入権」や「ダウンロード違法化」の経緯とその後を見れば明らかである。

これは大昔の飲食店が迷惑客を排除するのにヤクザを頼るのと同じ構図である。 その「みかじめ料」は決して安くない。

「海賊版サイト」のようなものは個々を潰しても,全体としては,さしたるダメージにならない。 「インターネットは検閲をダメージであると解釈し,それを回避する」(John Gilmore)のである。 「海賊版サイト」全体を本気で潰したいのであれば彼らのインセンティブを潰す必要がある。

いくら海賊版を潰そうとも、不満が解消されない限り、海賊版は生み出され続ける。コンテンツビジネスは可能な限り幅広いユーザ層の顕在的、潜在的な不満を解消し、利便性の高いサービスを提供することを基礎としなくてはならない。そうすることで、海賊版流通の規模を抑制し、新たな顧客を開拓し、ひいては持続可能なビジネスモデルを構築することにつながるのだろう。

これは机上の話ではなく,音楽や映像の商業出版分野では既に行われていることである。

世界における「出版」は,音楽であれ映像であれ文章であれ,既にコンテンツからメディアへ移行している。 日本のマンガやアニメがそこに乗れないのは,これらの商業出版ジャンルが「ガラパゴス」であり「死に体」であることの何よりの証拠と言える。 COOL JAPAN など過去の話であり,世界はもう日本のマンガやアニメを欲してはいないのだ。

事実上死んでいるジャンルのために無理筋な手で規制を行うことに合理性はない。 ジャンルが勝手に死ぬのは構わないが,そのために関係のない日本のネットを巻き込まないで欲しいものである。

日本でも Tor や VPN トンネリングがカジュアル・ユーザでも当たり前になるのかねぇ。 やれやれ。

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