ようやく Yahoo! の呪いから抜け出せる Flickr

no extension

これは朗報だろう。

Flickr の不幸は間違いなく Yahoo! による買収から始まっている。 当時 Flickr アカウントを Yahoo! アカウントに統合することについてユーザから猛烈な反発があった。 またゼロ年代後半からの Yahoo! 凋落に巻き込まれる形で Flickr もネットにおけるプレゼンスを失い Instagram などの新興サービスに譲る形になってしまった。

Yahoo! 買収自体は悪いことではない。 当時は Web 2.0 真っ盛りで,ほとんどのサービスは VC から融資を受けつつ Yahoo! か Google に買収されるのが最終的な「ゴール」だったのだから。 そういう意味で Flickr は「幸せな結末 (Happy End) 」を迎えたはずだったのだ。

今更 Flickr が以前の勢いを取り戻せるか分からないが, Verizon/Oath にいたら間違いなく殺されるし,少なくとも Yahoo! アカウントとおさらばできるのだ(アカウントの分離がいつになるかは決まってない模様)。 ユーザとしては大歓迎である。 もしサービス維持にお金が必要なのであれば再び Pro 会員に戻ろうじゃないか。

Flickr私のディレクトリには2005年以降に撮った写真の多くが置いてあるし,このサイトの写真や図の多くは Flickr からのリンクという形で載せている。 何より Flickr は,単なる写真倉庫ではなく, Creative Commons による「共有」をサービスとして実装した最初期のサービスなのだ。

ゼロ年代に登場したサービスで今後も残って欲しい(残ってないと困る)もの,と考えると Flickr と GitHub くらいしか思いつかない(Google や Amazon 等は20世紀から存在する)。 他は Dropbox みたいなストレージ・クラウド・サービスか? でもストレージ・クラウドはいくらでも代替えがあるからなぁ(最悪は GitHub のプライベート・リポジトリに突っ込む手もあるし)。

前の10年間であれほどサービスが登場したのに「ないと困る」ものが片手に余るというのは結構酷いと思うのだがどうだろう。 皆さんはゼロ年代に登場したサービスで今後も残ってないと困るサービスはどのくらいあるだろうか。

10年代もあと2年ほどで終わるが,この10年に登場したサービスでどれだけのものが残るやら。

Frog

【追記 2018-04-24】 利用規約およびプライバシー・ポリシーの移行

2018年5月末に利用規約およびプライバシー・ポリシーが SmugMug に移行する。

現在の Flickr ユーザでこの規約に同意できない場合は 2018-05-25 までにアカウントを削除(オプトアウト)することが求められている。

As part of the acquisition, all Flickr accounts will move to SmugMug’s Terms of Service and Privacy Policy. You have until May 25, 2018 to either accept SmugMug’s Terms and Privacy Policy or opt out. If you do nothing in that time, your account will simply transition from the current Yahoo Terms of Service and Privacy Policy to SmugMug’s Terms. If you don’t want to make this change, you can delete your Flickr account through your Account Settings page. If you want to preserve a copy of your photos, be sure to download them from your Camera Roll first!

今後も Flickr に残り続けるか否か,規約をよく読んで決定してほしい。 ザッと読んだ感じ,今より悪くなることはないような気がするけど。 でも Pro アカウントの人はよく読んでおいたほうがいいかも。

【おまけ】あれからの Flickr