「暗号資産」とやら
世間では「暗号通貨(cryptocurrency)」と呼ばれている「仮想通貨」。 金融庁でも一貫して「仮想通貨」と呼んでいたようだが,今後は「暗号資産(crypto-assets)」に統一するらしい。
「暗号資産」の呼び名は,どうやら今年の G20 から始まっているらしい。 G20 ブエノスアイレス・サミットの首脳宣言でも以下のように記されている。
We will regulate crypto-assets for anti-money laundering and countering the financing of terrorism in line with FATF standards and we will consider other responses as needed.
金融庁の「「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第11回)議事次第」によると
一方で、最近では、国際的な議論の場において、“crypto-asset”(「暗号資産」)との表現が用いられつつある。また、現行の資金決済法において、仮想通貨交換業者に対して、法定通貨との誤認防止のための顧客への説明義務を課しているが、なお「仮想通貨」の呼称は誤解を生みやすい、との指摘もある。こうした国際的な動向等を踏まえれば、法令上、「仮想通貨」の呼称を「暗号資産」に変更することが考えられる。
ということで,官製用語あるいは法律用語として「暗号資産」に,国際化をにらんで,統一しましょうということのようだ。 といっても世間では「暗号通貨」として広まりきっているのに今さら「暗号資産」とか余計に混乱を招くのではないかと思うのだが… まぁ知ったこっちゃないか。
私は Bitcoin を勉強し始めた頃からこれを「補完通貨」と認識している。 補完通貨が通貨ではなく資産として機能し始めるというのは,その通貨の「終わりの始まり」である。
ちなみに「暗号通貨」だろうが「暗号資産」だろうが(確かに暗号技術は使われているが)暗号の要素など1ミリもないと重ねて主張しておく。 それこそ誤解を招く言葉である。
というわけで,これが「仮想通貨」に関する今年の締めの記事になりそう。