喫煙シーンはレーティングを引き上げる?

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最初に予防線を張っておくと,この記事で愛煙家に対しても嫌煙家に対しても喧嘩を売買する意図はない。 もうひとつ念のために言うと,私はタバコを吸う習慣はないけど嫌煙家ではない。 吸う理由がないから吸わないだけだ。

閑話休題 (それはさておき)

Facebook の私の TL 上で池波正太郎さんの

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男の作法
池波正太郎 (著), なかじまもりお (著)
日本文芸社 2021-07-16 (Release 2021-07-16)
Kindle版
B096TLVZC1 (ASIN)

reviewed by Spiegel on 2021-07-04 (powered by PA-APIv5)

が紹介されていて,中身とは全然関係ないんだけど,表紙の絵を見て「そういやラノベでも漫画でも登場人物がタバコを吸うシーンを見かけなくなったな」などとふと思った。 まぁ,そんなに色んな作品を見てるわけじゃないから実際には結構あるのかもしれないけど,私の狭い観測範囲で。

たまに異世界召喚もののラノベとかで主人公がタバコの調達に右往左往しているシーンが描写されているとほっこりしたり。 喫煙嗜癖者には異世界にお米や味噌・醤油が無いよりも深刻だろう(笑)

これに関して Facebook でコメントを頂いたので紹介する。

まず日本は「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO Framework Convention on Tobacco Control; FCTC)」批准国である。 これに関連して「第13条実施のためのガイドライン 」というのがあるのだが,この中で

映画、演劇、ゲームなどの娯楽メディア製品におけるたばこの描写は、特に青少年のたばこの使用に強い影響を与える。従って、締約国は次のような対策を取らなければならない。

  • 娯楽メディア製品が、たばこ製品やその使用またはいかなる種類であってもそのイメージを表現するとき、その娯楽メディア製品の制作、配給、または発表に関わった各社の幹部責任者に、その表現と引き換えにいかなる金銭、ギフト、無料宣伝、無利子の融資、たばこ製品、広報支援、またはその他価値のあるいかなる物も供与されていないことの証明を義務付ける仕組みを導入する。
  • 娯楽メディア製品に関連して、あるいはそのコンテンツの一部として、特定可能なたばこブランドまたはたばこブランドの映像の描写を禁止する。
  • たばこ製品、その使用、または映像を表現する娯楽メディア製品の冒頭で、所定の反たばこ広告を表示することを義務付ける。
  • 娯楽メディア製品の指定または分類にあたって、たばこ製品、その使用、または映像の描写を考慮に入れ(たとえば、未成年者の入場を制限する成人指定を義務付けるなど)、子ども向け娯楽メディア(漫画も含む)ではたばこ製品、その使用、または映像を描写しないようにする指定または分類システムを導入する。

と書かれている。 更に SDGs (Sustainable Development Goals) でも目標 3.a で FCTC の実施強化を謳っているらしい。

なので「全年齢対象」となる漫画やラノベでは喫煙シーンはレーティングに引っかかるため描写しないようにしてるんじゃないか? なんてな推測もできそうだ。 私は出版関係者じゃないので実際のところは知らんけど。

ただ,日本ではメディアによるタバコ広告や喫煙シーンは今だに「自主規制」だそうで(私はテレビドラマはほぼ見ないが)某大河ドラマでも問題になったことがあるそうな。 この辺のグダグダさ加減はいかにも日本らしい(笑)

まぁ,個人的には「タバコが駄目ならアルコール類(のテレビ広告)も駄目やろ」と思うのだけど。

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