力なき者のノブレス・オブリージュと力あるものの無関心

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2022年明けました。 ソフトウェア・エンジニアにとって 2022 と言えば ISO/IEC 2022 だが,今年は文字コード年だったりしないのだろうか(笑)

年末は与太話で締めてしまったので,年明け一発目も与太話で。

私は数年前から「乙女ゲーム転生・悪役令嬢・婚約破棄」ジャンルに嵌ってるのだが,最近読んで面白かったのが,以下の Web 短編:

まぁ完結したし,書籍化されないだろう Web 短編だから多少のネタバレはええやろ(笑)

内容的にはド定番の「悪役令嬢・婚約破棄」もので破棄した側が「ざまぁ」されるというこれまたテンプレ中のテンプレ展開。 面白いのはヒロインの「悪役令嬢」が登場するのは1話目のみでとっと退場し,以後はヒロイン抜きでひたすら「ざまぁ」される側の顛末が記述される。 ようやく最終話でヒロインの「その後」が後日談的に語られ(ここでヒロインが「転生者」でチート能力持ちだと明かされる),末尾のあとがきにこう書かれる。

「力の無い人」は何もしなくても許されるのに、「力の有る人」が何もしないを選択すると怒られ加害者扱いされるんですよね。

ここまで読んで大笑いしてしまったよ。 いやぁ Web 小説ってフットワーク軽くていいわ。

「武士は食わねど高楊枝」という慣用句がある。 本当の意味で「力の無い人」に権力を与えてノブレス・オブリージュが云々などと言ったところで傍目には滑稽なだけだ(まさにその「滑稽」な様子が物語になるのだが)。 一方で「力の無い人」の顛末を見た「力の有る人」が他者のために何事かを成そうなどと思う筈がない。 兵法に曰く「君子危うきに近寄らず」である(笑)

故に世の中は力なき者の独りよがり (ノブレス・オブリージュ) と力あるものの無関心が蔓延ることになる。

というわけで,寄付のひとつもできないビンボー人の私が口先だけ政治主張しても虚しいだけなので,今年も「政治的無関心」を年間目標に,頭を低くして過ごす予定です。 今年もよろしく願いします。

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グリゴリの捕縛
白田 秀彰
2001-11-26 (Release 2014-09-17)
青空文庫
4307 (図書カードNo.)
評価     

白田秀彰さんの「グリゴリの捕縛」が青空文庫に収録されていた。 内容は 怪獣大決戦 おっと憲法(基本法)についてのお話。 古代社会 → 中世社会 → 近代社会 → 現代社会 と順を追って法と慣習そして力(power)との関係について解説し,その中で憲法(基本法)がどのように望まれ実装されていったか指摘してる。 その後,現代社会の次のパラダイムに顕現する「情報力」と社会との関係に言及していくわけだ。

reviewed by Spiegel on 2019-03-30 (powered by aozorahack)

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【SS付き】余りモノ異世界人の自由生活 ~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~2 (アルファポリス)
藤森フクロウ (著), 万冬しま (イラスト)
アルファポリス 2021-10-20 (Release 2021-11-12)
Kindle版
B09J8C75DF (ASIN)
評価     

シンちゃん,馬を買う。

reviewed by Spiegel on 2021-12-18 (powered by PA-APIv5)