量子コンピュータで256ビット楕円曲線暗号は破れるか
Bruce Schneier 先生のブログ記事より。
- The impact of hardware specifications on reaching quantum advantage in the fault tolerant regime: AVS Quantum Science: Vol 4, No 1
- Breaking 256-bit Elliptic Curve Encryption with a Quantum Computer - Schneier on Security
この論文で256ビット楕円曲線暗号を破るのに必要な量子コンピュータのサイズを計算したらしい。 概要(ABSTRACT)には
とあるので,そういうことなのだろう。 ちなみに2021年末の時点で IBM が開発した量子コンピュータのサイズが127物理キュービットで最大らしいので,まぁ当分は大丈夫というところなのだろう。
日本でも既存暗号の量子コンピュータ耐性について継続的に調査と評価が行われていて,毎年の CRYPTREC Report に載っている。
2020年2月に公開された「現在の量子コンピュータによる暗号技術の安全性への影響」では
とあるが,当時の試算は
となっている。 量子コンピュータってどんどん進歩してるんだねぇ。 今後も注意して見ていく必要があるかな。
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参考図書
- 暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
- 結城 浩 (著)
- SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
- Kindle版
- B015643CPE (ASIN)
- 評価
SHA-3 や Bitcoin/Blockchain など新しい知見や技術要素を大幅追加。暗号技術を使うだけならこれ1冊でとりあえず無問題。