Ubuntu 24.04 LTS へのアップグレード(追記あり)

no extension

すっかり忘れていたが Ubuntu 24.04 LTS がリリースされているのでアップグレードしなきゃ。

本当は日本語 Remix が出るまで待つつもりだったのだが,今回は出そうもない(2024-06-14 追記:今回は日本語 Remix は出ないらしい)。

前準備

まずは現行版を最新化しておく。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
$ sudo snap refresh

以下のページから ISO イメージをダウンロードして,転ばぬ先のブータブル USB を作成する。

うへ。 6GB もあるのか。

アップグレード

念のため諸々のバックアップをとって「ソフトウェアの更新」からアップグレードを起動する。

ソフトウェアの更新
リリースノート

では状況を始めよう。

アップグレードを開始しますか?

ん? git を削除するの? なんで? まぁいいや。 とりあえずアップグレードを開始しよう。

Upgrade to the Thunderbird snap

おっと。 そういえば 24.04 から Thunderbird は snap で提供されるんだった。

このあとは大きな問題もなくアップグレードは完了した。

Upgrade to the Thunderbird snap

再起動して確認していこう。

ようやく GnuPG が 2.4 系に

$ gpg --version
gpg (GnuPG) 2.4.4
libgcrypt 1.10.3
Copyright (C) 2024 g10 Code GmbH
License GNU GPL-3.0-or-later <https://gnu.org/licenses/gpl.html>
This is free software: you are free to change and redistribute it.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.

Home: /home/username/.gnupg
サポートしているアルゴリズム:
公開鍵: RSA, ELG, DSA, ECDH, ECDSA, EDDSA
暗号方式: IDEA, 3DES, CAST5, BLOWFISH, AES, AES192, AES256,
      TWOFISH, CAMELLIA128, CAMELLIA192, CAMELLIA256
ハッシュ: SHA1, RIPEMD160, SHA256, SHA384, SHA512, SHA224
圧縮: 無圧縮, ZIP, ZLIB, BZIP2

ようやくかい。 まぁ年末には 2.2 系のサポートが切れるからな。 ちなみに 2024-06 時点の GnuPG 最新版は 2.4.5 である。 この辺もうちょっとなんとかならんもんかねぇ。

OpenSSHOpenSSL

$ ssh -V
OpenSSH_9.6p1 Ubuntu-3ubuntu13, OpenSSL 3.0.13 30 Jan 2024

いつものことではあるが,これも微妙に古い。 どうしてセキュリティ製品のバージョンが古いのだろう。 妙なバックポートパッチじゃなくて公式の最新版を使えよ。

APT (Advanced Package Tool)

$ apt -v
apt 2.7.14 (amd64)

24.04 から APT の仕様がが変わった。

具体的には以下の通り。

  1. rsa1024 の電子署名公開鍵を使っているとワーニングが出る
  2. deb822 形式への移行

特に1番目については 2.8 以降は rsa1024 はワーニングではなくエラーになるらしい。 公式のリポジトリなら問題ないだろうがサードパーティのリポジトリを使う場合には問題になる。

PPAGit の再インストール

24.04 へのアップグレードで PPAgit が削除されてしまったので改めてインストールする(公式リポジトリの git はバージョンが古いため)。 まっさらな状態からインストールする場合は

$ sudo add-apt-repository ppa:git-core/ppa

でリポジトリを登録できる。 また既にリポジトリを登録している場合は「ソフトウェアとアップデート」の「他のソフトウェア」タブを開くと

ソフトウェアとアップデート

PPAgit が既に ready 状態になっているのでチェックを入れて有効にする。

ワーニングの回避

この状態で apt update すると

$ sudo apt update
...
W: http://ppa.launchpad.net/git-core/ppa/ubuntu/dists/noble/InRelease: Signature by key E1DD270288B4E6030699E45FA1715D88E1DF1F24 uses weak algorithm (rsa1024)

などと最後にワーニングが出る。 PPA のサイトを見ると

There’s nothing that PPA owners can do about this for now, as the key is fully controlled internally by Launchpad.

とあり Launchpad 運営側で対処してくれないとどうにもならないようだ。 とりあえずワーニングを消したいのであれば

に書かれている方法で対処できる。 すなわち /etc/apt/apt.conf.d/99weakkey-warning を開いて(ない場合は作成)

APT::Key::Assert-Pubkey-Algo ">=rsa1024";

と書き込めばよい。 これで rsa1024 鍵でもワーニングが出なくなる。 APT 2.8 になったらどうか分からんけど。

あとは sudo apt install git で再インストールできる。

KeePassXC のアップデート

KeePassXCPPA で提供されている。

$ sudo add-apt-repository ppa:phoerious/keepassxc

既にリポジトリを登録している場合は「ソフトウェアとアップデート」の「他のソフトウェア」タブを開くと

ソフトウェアとアップデート

KeePassXC が既に ready 状態になっているのでチェックを入れて有効にする。 あとは普通に sudo apt update & sudo apt upgrade でアップデートできる。

NodeSourceNode.js のアップデート

NodeSourcenode.js のインストール方法は以下を参照のこと。

上の方法でリポジトリを登録すると以下のファイルができてるはず。

  • /usr/share/keyrings/nodesource.gpg
  • /etc/apt/sources.list.d/nodesource.list

nodesource.list の内容が以下とすると

deb [arch=amd64 signed-by=/usr/share/keyrings/nodesource.gpg] https://deb.nodesource.com/node_20.x nodistro main

新たに /etc/apt/sources.list.d/nodesource.sources ファイルを作成し,以下の内容とする。

Types: deb
URIs: https://deb.nodesource.com/node_20.x
Suites: nodistro
Components: main
Signed-By: /usr/share/keyrings/nodesource.gpg
Architectures: amd64

nodesource.sources を作成したら nodesource.list ファイルは削除してよい。 あとは普通に sudo apt update & sudo apt upgrade でアップデートできる。

Docker Engine のアップデート

既に以下のファイルがあるとする。

  • /etc/apt/keyrings/docker.asc
  • /etc/apt/sources.list.d/docker.list

また docker.list の内容は以下の通りとする。

deb [arch=amd64 signed-by=/etc/apt/keyrings/docker.asc] https://download.docker.com/linux/ubuntu noble stable

これに対し /etc/apt/sources.list.d/docker.sources ファイルを作成し,以下の内容とする。

Types: deb
URIs: https://download.docker.com/linux/ubuntu
Suites: noble
Components: stable
Signed-By: /etc/apt/keyrings/docker.asc
Architectures: amd64

docker.sources を作成したら docker.list ファイルは削除してよい。 あとは普通に sudo apt update & sudo apt upgrade でアップデートできる。

pgAdmin 4 のアップデート

既に以下のファイルがあるとする。

  • /etc/apt/keyrings/packages-pgadmin-org.gpg
  • /etc/apt/sources.list.d/pgadmin4.list

また pgadmin4.list の内容は以下の通りとする。

deb [signed-by=/usr/share/keyrings/packages-pgadmin-org.gpg] https://ftp.postgresql.org/pub/pgadmin/pgadmin4/apt/noble pgadmin4 main

これに対し /etc/apt/sources.list.d/pgadmin4.sources ファイルを作成し,以下の内容とする。

Types: deb
URIs: https://ftp.postgresql.org/pub/pgadmin/pgadmin4/apt/noble
Suites: pgadmin4
Components: main
Signed-By: /etc/apt/keyrings/packages-pgadmin-org.gpg

pgadmin4.sources を作成したら pgadmin4.list ファイルは削除してよい。 あとは普通に sudo apt update & sudo apt upgrade でアップデートできる。

VS Code のアップデート

既に以下のファイルがあるとする。

  • /etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg
  • /etc/apt/sources.list.d/vscode.list

また vscode.list の内容は以下の通りとする。

deb [arch=amd64,arm64,armhf signed-by=/etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main

これに対し /etc/apt/sources.list.d/vscode.sources ファイルを作成し,以下の内容とする。

Types: deb
URIs: https://packages.microsoft.com/repos/code
Suites: stable
Components: main
Signed-By: /etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg
Architectures: amd64,arm64,armhf

vscode.sources を作成したら vscode.list ファイルは削除してよい。 あとは普通に sudo apt update & sudo apt upgrade でアップデートできる。

【2024-06-14 追記】 Ubuntu 24.04 LTS 向け Ubuntu Japanese Team パッケージ

Ubuntu 24.04 LTS では日本語 Remix は出ないらしい。 一方で Ubuntu Japanese Team パッケージについては deb822 形式に対応したものを利用できる。

$ sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/noble.sources -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.sources
$ sudo apt -U upgrade # update して upgrade する

まっさらから使う場合は ubuntu-defaults-ja をインストールする。

$ sudo apt install ubuntu-defaults-ja

/etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.sources ファイルに公開鍵も埋め込まれているが rsa1024 鍵なのでワーニングが出る。 とりあえずワーニングを回避したい場合は「ワーニングの回避」の節を参照のこと。

将来バージョンでは PPA のリポジトリを直接利用できるようになるらしい。

Fcitx 5 を導入する

今更だが input method を Fcitx 5 に変更する。

導入は APT で可能。

$ sudo apt install fcitx5-mozc
$ im-config -n fcitx5

~/.profile ファイルに以下の記述を追記する。

while true; do
  dbus-update-activation-environment --systemd DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS DISPLAY XAUTHORITY 2> /dev/null && break
done

export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS="@im=fcitx"
export DefaultIMModule=fcitx5
if [ $SHLVL = 1 ] ; then
  (fcitx5 --disable=wayland -d --verbose '*'=0 &)
  xset -r 49  > /dev/null 2>&1
fi

再起動して fcitx5 が起動していればOK。

$ ps -ef | grep fcitx
username    2964       1  0 15:12 ?        00:00:00 fcitx5 --disable=wayland -d --verbose *=0
username    6384    4812  0 15:14 pts/1    00:00:00 jvgrep fcitx

全体設定は fcitx5-configtool を起動する(GUI 画面)。

fcitx5-configtool

私は日本語キーボードを使ってるので,キーボードの設定を「キーボード - 日本語」に変更する。

fcitx5-configtool

あとはお好みで。

ブックマーク

参考

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スーパーユーザーなら知っておくべきLinuxシステムの仕組み
Brian Ward (著), 柴田 芳樹 (翻訳)
インプレス 2022-03-08 (Release 2022-03-08)
単行本(ソフトカバー)
4295013498 (ASIN), 9784295013495 (EAN), 4295013498 (ISBN)
評価     

版元で PDF 版が買える。セキュリティ・エリアにも持ち込めるよう紙の本を買ったのだが,オンライン読書会が始まったので PDF 版も購入。Linux システムの扱い方に関するリファレンス本として優れている。最初に軽く流し読みして,必要に応じて該当項目を拾い読みしていけばいいだろう。

reviewed by Spiegel on 2023-02-11 (powered by PA-APIv5)

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Personal Computers
B01NBU1OS5 (ASIN), 4712702655292 (EAN)
評価     

OS 移行用に購入。ひたすらデザインで決めた(笑) よく考えたら32GBも要らなかった。まぁ,何か使い道があるだろう。

reviewed by Spiegel on 2019-04-21 (powered by PA-APIv5)