「儒烏風亭らでんがご案内! ピクセルミュージアム」発売

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Switch 2 発売? なにそれおいしいの? というわけで…

VTuber の「儒烏風亭らでん」がナビゲータ役(監修もされてるらしい)で登場する「儒烏風亭らでんがご案内! ピクセルミュージアム」(通称「らでピク」)が発売された。

今年のはじめ頃に「今夏発売」ってなってたので7月か8月頃の発売だと思ってたよ。 まさか気象学的季節で夏になって早々に発売されるとは思わざりき。 油断した(笑)

らでピク」は Switch 版と Steam 版があって,私は Switch を持ってないので当然 Steam 版なのだが, Steam 版のほうはタイトルに「ピクロス」が付いていない。

この種のパズルは日本では「お絵かきロジック」の名前で有名になったらしい。 その後,様々な作品・製品が登場し,ゲームとしては任天堂ゲーム機の「ピクロス」シリーズが有名になった1。 「お絵かきロジック」は世界文化社が,「ピクロス」は任天堂が商標権を持っている。 どうやら Steam 版では「ピクロス」が使えなかったようだ。 世知辛い。

なお世界的には “Nonogram” のほうが通りがいいらしい2

パズル名の商標権ってホンマ面倒くさいよね。 「数独」も元々は米国発祥の “Number Place” を日本に持ち込んで「数字は独身に限る」というタイトルで世に出したらバズっちまって(当時は私もハマった),でも名称の商標権は出版社のニコリが持ってるので,日本国内では「ナンバープレース(ナンプレ)」のほうが通りがいい。 一方,世界的には “Sudoku” で広まっていて, Sudoku 関連の数学論文とかもあったりする3

出版社や制作会社にとっては大事な飯の種だし,好き勝手絶頂に名前を使う輩もいるので,商標権の仕組みが悪いとは言わないけどさ。 パズル自体は出版社の商圏を超えて広まっていくんだから名称を独占するのは悪手だと思うんだけどねぇ。

ちなみに「儒烏風亭らでん」の名称も商標登録されているらしく ™ マークが付いている。 この辺は企業勢の VTuber はちゃんとしてる感じ。 企業にとっては個人のパブリシティ権より商標権のほうがコントロールしやすいからなんだろうけど。

話を「らでピク」に戻して。

リリース(2025-06-05 0時)直後に購入して,とりあえずチュートリアルと簡単な問題をいくつか解いてみたのだが,チュートリアルがすげーわ。 単にルールを説明するだけでなく Nonogram で一般的な解法を丁寧に解説してくれる。 今まで感覚で解いてたので,ちゃんと解法として確立されてるってのに驚いた。 これなら Nonogram 未経験者でもできそう?

サイズ的には $5 \times 5$ の簡単なものから $40 \times 30$ の比較的大きなものまである。 ちなみに Nonogram は「NP 完全問題」だそうな。

解いたあとの絵の解説も面白い。 数理パズル好きは沼にハマると自分で問題を作ったり(あるいは論文を書いたりw)するそうだが「らでピク」に関しては解いたあとの作品にまつわる解説を聴いたり読んだりするのが楽しい。 一応,解くまでのタイムも記録されるが,制限時間といった要素はなく(たぶん),ゆっくりじっくり遊べる。

私は早解きが苦手なので,時間をかけて遊べるゲームが好き。 というわけで,ゆるゆると遊ぼうかね。

ブックマーク

参考

photo
数学の楽園 数独からトポロジー,圏論まで(別冊日経サイエンス266) (別冊日経サイエンス no. 266)
日経サイエンス編集部 (編集)
日経サイエンス 2024-02-26 (Release 2024-02-26)
ムック
4296119605 (ASIN), 9784296119608 (EAN), 4296119605 (ISBN)
評価     

数独の科学」が収録されているというので衝動買い。反省はしない。

reviewed by Spiegel on 2025-06-05 (powered by PA-APIv5)


  1. 私はゲームボーイ版の「ピクロス2」と DS 版の「ピクロスDS」で遊んだ覚えはある。コンシューマ機は引っ越しで(ソフトも含めて)全部処分しちゃったので手元にないけど。 ↩︎

  2. Steam で “nonogram” で検索すると,アホほど出てくる。 ↩︎

  3. 数独の科学 | 日経サイエンス」参照。 ↩︎