AI アポカリプス

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久しぶりに yomoyomo さんの記事を起点に。 実は,いつものように脊髄反射的に Mastodon へポストしようと途中まで書いて「マイクロブログに書く分量じゃないわ」と気がついた。

ゴメン。 これを読んで『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』を読もうとは微塵も思わないけど yomoyomo さんの記事は面白かった。 いや,書評記事ではなさそうだし,この感想はこれでいいのか?

個人的には後半の

そして、本書に描かれる超知能AIの人間の事情を一顧だにしない傲岸さ(飽くまで人間側から見た感想)を読んでいて、ワタシが連想したのは、自分と意見が合わない相手を「NPC」と軽蔑的に呼ぶイーロン・マスクだったりします。

あたりから以降が特に面白かった。 これってめっちゃキリスト教的だよね。 いや,こんなことを言うと確実にクリスチャンの方々に叱られるだろうけど。

キリスト教というか唯一神(or 絶対神)信仰って,神をアイデンティティの中心に据えた包摂型(あるいはその裏面としての排除型)社会と思っている1。 自分が神の意志に沿って生きてると確信しているからこそ,その意に沿わない輩を NPC 呼ばわりできるわけで。 これって典型的な「反知性主義」ぢゃん。

と思いながら続きを読んだら

「反キリスト」とか「ハルマゲドン」とか「黙示録」とか宗教的なワードがやたら散見されますが、イランを爆撃した米国の国防長官ピート・ヘグセスが、「我々は明らかに、ある種の宗教的なハルマゲドンをもたらすために核能力を追求する宗教的狂信者たちと戦っている」と語るなど「アメリカの十字軍」を公言し、またある軍司令官は「イランとの戦争はハルマゲドンであり、イエスの再臨をもたらす」と訓示するなど、実は権力中枢のほうが既に宗教がかっている現実があったりします。

とか書いてあって「うわぁ」となった。 極端な政治的立場をとる人を極左だの極右だの極中道だの言うらしいが,さしずめこれは「極キリスト教」といったところか。 20世紀末にオレオレキリスト教義に則って世界を滅ぼすという作品が流行ったが(ゲームの「火星物語」もキリスト教的なモチーフ満載で面白かった),世紀を跨いでガチでやる国があるとは思わざりき。

数ある竹本泉作品のネタのひとつに「知的存在を創り宇宙へ旅立つ高位存在と取り残される被造物」というのがある。 たとえば「ねこめ〜わく」とか(笑) 竹本泉さんがキャラクター原案をされた「アポカリプスホテル」は,人類がパンデミックのために宇宙に逃げちゃったあとの地球を描いたものだけど「取り残される被造物」という構図2 に竹本泉ファンとしては大歓喜してしまう。

ぶっちゃけ,機械が人類にとって代われるほど文明が発達したのなら人類はとっくに地球から逃げてるよなぁ,と思う。 もっとも,身体中の関節が外れたかのような今の狂った社会情勢では yomoyomo さんの「人類は超知能AI以前に既に絶滅の暗路を辿っている」という「疑い」に激しく同意してしまうのだが。

「AI 黙示録」といえば先日紹介した Cory Doctorow さんの新刊だが,同じ「黙示録」でも両者のあまりの温度差に風邪を引きそうである(本を読んでないのにw)。 Cory Doctorow さんの新刊のほうは邦訳が出るならぜひ読みたい。 どうなるやら。

ブックマーク

参考図書

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ねこめ(~わく) 1 (夢幻燈コミックス)
竹本泉 (著)
ハーパーコリンズ・ジャパン 2013-09-24 (Release 2015-08-25)
Kindle版
B013SEV0DA (ASIN)
評価     

『ねこめ〜わく』から続く,竹本泉さんのライフワーク的作品(?) 惜しむらくも7巻で完結してしまった。続編を望む(笑)

reviewed by Spiegel on 2021-04-05 (powered by PA-APIv5)

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アポカリプスホテル
©アポカリプスホテル製作委員会 (監督), CygamesPictures (クリエイター), 村越 繁 (Writer), ©アポカリプスホテル製作委員会 (出演)
(Release 2025-02-13)
Prime Video
B0F1RSSCTS (ASIN)
評価     

オリジナルアニメ。竹本泉さんがキャラクタ原案を担当。スピンオフ漫画もある。これ,シナリオ考えた人は絶対に歴代の竹本泉作品群を読み込んでるだろう(個人の感想です)。ロボット達もちょっと「アレックス」ぽいコミカルさ(有能で融通が利かない)があるし(笑)

reviewed by Spiegel on 2025-04-19 (powered by PA-APIv5)

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アポカリプスホテルぷすぷす (バンブーコミックス)
竹本泉 (著), ホテル銀河楼 管理部 (企画・原案)
竹書房 2025-07-07 (Release 2025-07-07)
コミック
4801986919 (ASIN), 9784801986916 (EAN), 4801986919 (ISBN)
評価     

アニメ「アポカリプスホテル」のキャラクタ原案を担当した竹本泉さんによる公式コミカライズ? でも内容はいつもの感じ。ちなみに電子版はカラーのあとがきが追加されている。両方買わないと。いやぁ,竹本泉さんが関わってホンマにアニメになったんだねぇ(笑)

reviewed by Spiegel on 2025-07-07 (powered by PA-APIv5)


  1. たとえば聖書が「神と人との約束」を説いたものであるとするなら,日本の古代神話は「神と神との約束」を説いたものだと言われている。人が等しく「神の子」であるなら「神と神との約束」は人同士であっても有効である(神と人は約束しない,神同士の約束を模倣する儀礼が重要),というのが神道の根幹と言える。まぁ,その辺にいる日本の神は “God” じゃないけどね。意図的な誤訳だよな(笑) ↩︎

  2. 「ねこめ〜わく」の猫たちや「アポカリプスホテル」のロボットたちに感情移入しそうになるのは,ポンコツな私達人類も神との関係において「取り残される被造物」だからだ! とか言ってみたり。 ↩︎