文字エンコーディング変換
(初出: Golang による文字エンコーディング変換 - Qiita)
文字エンコーディング変換に関してはあちこちに記事があるのだが,微妙に古い気がするので,メモとして書き記しておく。
Go 言語の文字エンコーディング変換
Go 言語では Unicode が既定となっている。 そもそもソースコードが UTF-8 前提になっているし,文字の単位である rune の実体は Unicode 符号点(code point)である1。
したがって UTF-8 以外の文字エンコーディングを扱う場合は何らかの変換処理を挟む必要がある。
そのためのパッケージが transform
である。
またエンコーディングについても各種そろっていて,日本語の場合は encoding/japanese
パッケージを使う。
encoding/japanese
パッケージでは Shift-JIS, EUC-JP, ISO-2202-JP を扱える。
パッケージの導入
日本語が必要なだけなら golang.org/x/text/encoding/japanese
2 を go get
すれば全てインストールされる。
C:>go get -v golang.org/x/text/encoding/japanese
Fetching https://golang.org/x/text/encoding/japanese?go-get=1
Parsing meta tags from https://golang.org/x/text/encoding/japanese?go-get=1 (status code 200)
get "golang.org/x/text/encoding/japanese": found meta tag main.metaImport{Prefix:"golang.org/x/text", VCS:"git", RepoRoot:"https://go.googlesource.com/text"} at https://golang.org/x/text/encoding/japanese?go-get=1
get "golang.org/x/text/encoding/japanese": verifying non-authoritative meta tag
Fetching https://golang.org/x/text?go-get=1
Parsing meta tags from https://golang.org/x/text?go-get=1 (status code 200)
golang.org/x/text (download)
golang.org/x/text/transform
golang.org/x/text/encoding/internal/identifier
golang.org/x/text/encoding
golang.org/x/text/encoding/internal
golang.org/x/text/encoding/japanese
変換ロジック(サンプルコード)
変換ロジックのサンプルを以下に示す(thanks @mattn)。
package main
import (
"fmt"
"io"
"os"
"golang.org/x/text/encoding/japanese"
)
func main() {
reader := japanese.ShiftJIS.NewDecoder().Reader(os.Stdin)
writer := japanese.EUCJP.NewEncoder().Writer(os.Stdout)
if _, err := io.Copy(writer, reader); err != nil {
fmt.Fprintln(os.Stderr, err)
}
}
UTF-8 以外の文字エンコーディングから UTF-8 への変換は decode と呼ばれている。 一方, UTF-8 から UTF-8 以外の文字エンコーディングへの変換は encode と呼ばれている。
上のサンプルでは Shift-JIS →(Decoder)→ UTF-8 →(Encoder)→ EUC-JP の手順で変換していることがお分かりであろうか。 では実際に動かしてみよう。
C:>echo Go言語で行こう | go run transform.go > euc.txt
これで euc.txt
に「Go言語で行こう」と EUC-JP で書き込まれていたら成功である3。
今回は標準入出力を使ったが, Reader/Writer の stream で表せるものなら同様の処理でできるはずである。
文字エンコーディング変換に関する注意点
Shift-JIS/EUC-JP と UTF-8/UTF-32 ではベースとなっている文字集合(文字エンコーディングではない)が異なる。 Shift-JIS/EUC-JP の文字集合は基本的に JIS 規格だが UTF-8/UTF-32 は Unicode であり,両者は非対称の関係である。 このため,今回のような異なる文字集合を跨ぐ変換を行うと変換が正しく行われない場合もあり得る(要検証4)。
更に困ったことに,歴史的経緯(便利な言葉だw)から Shift-JIS や EUC-JP の実装にはいくつかバリエーションがあるため,実装間の差異が問題になる場合もある。
encoding/japanese
パッケージはこの実装上の差異を考慮してはいないようである。
更に更に言えば,汎用機などは旧JIS+外字の構成になっていることが多く,このような需要に応えるなら独自の変換ロジックを開発するしかない。
変換ロジックの別解
transform
を使った変換でうまくいかない場合は djimenez/iconv-go
パッケージを使う手もある。
ただし, djimenez/iconv-go
パッケージのビルドには libiconv
および glibc
が必要である(クロス環境では注意)。
このパッケージを使うことで iconv
相当の処理が可能になる。
(別の変換パッケージとして mahonia
を紹介しているところがいくつか見られたが,ドキュメントを見る限り DEPRECATED となっていて使えないようだ。また repository にもアクセスできない)
ブックマーク
- golang - Go言語で文字コード変換 - Qiita
- go - Goで[]byteをshift-jisの文字列に変換する - スタック・オーバーフロー
- GO言語で文字コードを扱うライブラリの使用例 - Qiita
- Golangで文字コード判定 - Qiita
-
「String と Rune」参照。 ↩︎
-
かつてパッケージの場所は
code.google.com/p/go.text/transform
およびcode.google.com/p/go.text/encoding/japanese
だったが,ここの repository は今は存在しないので注意。 ↩︎ -
もちろんこれは Windows のコマンドプロンプトで動かした場合の話。 ↩︎
-
たとえば「Shift_JIS文化からUTF-8への移行ガイド - Qiita」などが参考になる。 ↩︎