GnuPG 2.2.30 (LTS) もリリースされた

no extension

先日の 2.3.2 リリースに引き続き LTS 版の 2.2.30 もリリースされた。

セキュリティ・アップデートはなし。 詳細はこちら。

  • gpg: Extended gpg-check-pattern to support accept rules, conjunctions, and case-sensitive matching. [5ca15e58b2]

  • agent: New option --pinentry-formatted-passphrase. [#5553]

  • agent: New option --check-sym-passphrase-pattern. [#5517]

  • agent: Use the sysconfdir for the pattern files. [5ed8e598fa]

  • agent: Add “checkpin” inquiry for use by pinentry. [#5532]

  • wkd: Fix client issue with leading or trailing spaces in user-ids. [576e429d41]

  • Pass XDG_SESSION_TYPE and QT_QPA_PLATFORM envvars to Pinentry. [#3659]

  • Under Windows use LOCAL_APPDATA for the socket directory. [#5537]

    Release-info: https://dev.gnupg.org/T5519

んー。 これって 2.3.2 の変更の一部がフィードバックされている感じかな。

GnuPG 関連の各パッケージのバージョンは以下の通り(数字は大体のビルド順)。

# パッケージ名 バージョン 公開日 更新
1 Libgpg-error 1.42 2021-03-22
2 Libgcrypt 1.8.8 (LTS) 2021-06-02
Libgcrypt 1.9.4 2021-08-22
3 Libassuan 2.5.5 2021-03-22
4 Libksba 1.6.0 2021-06-10
5 nPth 1.6 2018-07-16
6 ntbTLS 0.2.0 2020-08-27
7 GnuPG 2.2.30 (LTS) 2021-08-26
GnuPG 2.3.2 2021-08-24

現在 GnuPG には2.2系と2.3系があり1,2.2系は LTS 版に位置付けられている。 2.3系では AEAD (Authenticated Encryption with Associated Data) 等 RFC 4880bis で検討されている機能が実装されているので,最新機能を試したいのであればこちらを入れるとよいだろう。 なお2.2系は少なくとも2024年末まではサポートが続けられる予定である。 通常運用であれば,当面は2.2系でも問題ない(ECC も対応してるよ)。

アップデートは計画的に。

ブックマーク

参考図書

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暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
紀伊國屋書店 2002-02-16
単行本
4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
評価     

20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!

reviewed by Spiegel on 2015-03-09 (powered by PA-APIv5)

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暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
結城 浩 (著)
SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
Kindle版
B015643CPE (ASIN)
評価     

SHA-3 や Bitcoin/Blockchain など新しい知見や技術要素を大幅追加。暗号技術を使うだけならこれ1冊でとりあえず無問題。

reviewed by Spiegel on 2015-09-20 (powered by PA-APIv5)


  1. 厳密には1.4系もあるが,これは legacy 版と位置付けられており,よほどのバグか脆弱性がない限りは更新されない。もし今だに1.4系(あるいは既にサポートされていない2.0/2.1系)を使っているのなら2.2系以降にアップグレードすることを強くお勧めする。 ↩︎