GnuPG 2.3.4 および Gpg4win 4 のリリース
毎度遅まきながらで申し訳ないが GnuPG 2.3.4 がリリースされている。
セキュリティ・アップデートはなし。 詳細はこちら。
GnuPG 関連の各パッケージのバージョンは以下の通り(数字は大体のビルド順)。
# | パッケージ名 | バージョン | 公開日 | 更新 |
---|---|---|---|---|
1 | Libgpg-error | 1.43 | 2021-11-03 | |
2 | Libgcrypt | 1.8.8 (LTS) | 2021-06-02 | |
Libgcrypt | 1.9.4 | 2021-08-22 | ||
3 | Libassuan | 2.5.5 | 2021-03-22 | |
4 | Libksba | 1.6.0 | 2021-06-10 | |
5 | nPth | 1.6 | 2018-07-16 | |
6 | ntbTLS | 0.2.0 | 2020-08-27 | |
7 | GnuPG | 2.2.33 (LTS) | 2021-11-23 | |
GnuPG | 2.3.4 | 2021-12-20 |
現在 GnuPG には2.2系と2.3系があり1,2.2系は LTS 版に位置付けられている。 2.3系では AEAD (Authenticated Encryption with Associated Data) 等 RFC 4880bis で検討されている機能が実装されているので,最新機能を試したいのであればこちらを入れるとよいだろう。 なお2.2系は少なくとも2024年末まではサポートが続けられる予定である。 通常運用であれば,当面は2.2系でも問題ない(ECC も対応してるよ)。
さて GnuPG 2.3.4 のリリースとほぼ同じタイミングで Gpg4win 4 系最初のバージョン 4.0.0 がリリースされた。 Gpg4win 4 系では GnuPG 2.3 系が導入された。
これまでの Gpg4win 3.1 系も引き続きメンテナンスされているようなので,慌てずにタイミングを見計らってアップグレードしていくのがいいだろう。
アップデートは計画的に。
ブックマーク
参考図書
- 暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
- スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
- 紀伊國屋書店 2002-02-16
- 単行本
- 4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
- 評価
20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!
- 暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
- 結城 浩 (著)
- SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
- Kindle版
- B015643CPE (ASIN)
- 評価
SHA-3 や Bitcoin/Blockchain など新しい知見や技術要素を大幅追加。暗号技術を使うだけならこれ1冊でとりあえず無問題。
-
厳密には1.4系もあるが,これは legacy 版と位置付けられており,よほどのバグか脆弱性がない限りは更新されない。もし今だに1.4系(あるいは既にサポートされていない2.0/2.1系)を使っているのなら2.2系以降にアップグレードすることを強くお勧めする。 ↩︎