GnuPG 2.4.2 のリリースと Mastodon 公式アカウントができた話

no extension

毎度遅まきながらで申し訳ないが GnuPG 2.4.2 がリリースされた。

脆弱性の修正はなし。 その他の改修ポイントは以下の通り。

  • gpg: Print a warning if no more encryption subkeys are left over after changing the expiration date. [rGef2c3d50fa]
  • gpg: Fix searching for the ADSK key when adding an ADSK. [T6504]
  • gpgsm: Speed up key listings on Windows. [rG08ff55bd44]
  • gpgsm: Reduce the number of “failed to open policy file” diagnostics. [rG68613a6a9d]
  • agent: Make updating of private key files more robust and track display S/N. [T6135]
  • keyboxd: Avoid longish delays on Windows when listing keys. [rG6944aefa3c]
  • gpgtar: Emit extra status lines to help GPGME. [T6497]
  • w32: Avoid using the VirtualStore. [T6403]

GnuPG 関連パッケージ

GnuPG 関連の各パッケージのバージョンは以下の通り(数字は大体のビルド順)。

# パッケージ名 バージョン 公開日 更新
1 Libgpg-error 1.47 2023-04-06
2 Libgcrypt 1.8.10 (LTS) 2023-01-05
Libgcrypt 1.10.2 2023-04-06
3 Libassuan 2.5.5 2021-03-22
4 Libksba 1.6.3 2022-12-06
5 nPth 1.6 2018-07-16
6 ntbTLS 0.3.1 2022-04-07
7 GnuPG 2.2.41 (LTS) 2022-12-09
GnuPG 2.4.2 2023-05-30

現在 GnuPG には 2.2 系と 2.4 系があり1, 2.4 系では AEAD (Authenticated Encryption with Associated Data) 等 RFC 4880bis で検討されている機能が実装されている。 2.2 系は 2.4 系のサブセットという位置づけで,少なくとも2024年末まではサポートが続けられる予定である。

別記事でも書いたが,どうも Ubuntu は真面目に GnuPG のメンテナンスをやる気がないようである。 なので,近々自前でビルドを行おうかと考えているが,遅々として進まず…

【余談】 GnuPG の Mastodon 公式アカウントができたらしい

この前 Twitter で見かけたのだが

なんだそうで,本当に Mastodon にアカウントができていた。

Twitter アカウントはマークを外された状態で継続するのかな? まぁ認証マークつってもアレって「Twitter 教にお布施しました」マークだろ,金で買えるらしいし(笑) それよりも早く GnuPG.org サイトに <link rel="me"> 要素で連携して認証してもらいなはれ!

こうやって Twitter を参照する理由がひとつずつ減っていくんだねぇ。

ブックマーク

参考図書

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暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
紀伊國屋書店 2002-02-16
単行本
4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
評価     

20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!

reviewed by Spiegel on 2015-03-09 (powered by PA-APIv5)

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暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
結城 浩 (著)
SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
Kindle版
B015643CPE (ASIN)
評価     

SHA-3 や Bitcoin/Blockchain など新しい知見や技術要素を大幅追加。暗号技術を使うだけならこれ1冊でとりあえず無問題。

reviewed by Spiegel on 2015-09-20 (powered by PA-APIv5)


  1. 厳密には1.4系もあるが,これは legacy 版と位置付けられており,よほどのバグか脆弱性がない限りは更新されない。もし今だに1.4系(あるいは既にサポートされていない2.0/2.1系)を使っているのなら2.2系以降にアップグレードすることを強くお勧めする。 ↩︎