GnuPG 2.4.4 / 2.4.5 のリリース【セキュリティ・アップデートを含む】
仕事の忙しさにかまけて色々と放っぽり出してたので,少しずつ回復中。
遅まきながらであるが, 2024-01-25 に GnuPG 2.4.4 がリリースされた。 さらに先日 2024-03-12 に 2.4.5 がリリースされている。
詳細については割愛する。 GnuPG 2.4.4 については次節で紹介する脆弱性の修正がある。
【脆弱性】スマートカード生成時に保護されていないバックアップ鍵が PC 上に残る
GnuPG 2.4.4 より前の一部のバージョンでスマートカード生成時に保護されていないバックアップ鍵が PC 上に残る脆弱性があるらしい。
該当するバージョンは以下の通り。
確認方法等については以下を参照のこと。
GnuPG 関連パッケージ
GnuPG 関連の各パッケージのバージョンは以下の通り(数字は大体のビルド順)。
# | パッケージ名 | バージョン | 公開日 | 更新 |
---|---|---|---|---|
1 | Libgpg-error | 1.48 | 2024-02-23 | |
2 | Libgcrypt | 1.8.11 (LTS) | 2023-11-16 | |
Libgcrypt | 1.10.3 | 2023-11-14 | ||
3 | Libassuan | 2.5.7 | 2024-03-06 | |
4 | Libksba | 1.6.6 | 2024-02-23 | |
5 | nPth | 1.7 | 2024-02-23 | |
6 | ntbTLS | 0.3.2 | 2024-01-12 | |
7 | GnuPG | 2.4.5 | 2024-03-07 |
ありゃ。 2.2 系のコードが一覧から消えてるな。
現在 GnuPG には 2.2 系と 2.4 系があり1, 2.4 系では AEAD (Authenticated Encryption with Associated Data) 等 RFC 4880bis で検討されている機能が実装されている。 2.2 系は 2.4 系のサブセットという位置づけで,少なくとも2024年末まではサポートが続けられる予定である。
別記事でも書いたが,どうも Ubuntu は真面目に GnuPG のメンテナンスをやる気がないようである。 なので,自前でビルドを行おうかと考えているが,遅々として進まず…
ブックマーク
参考図書
- 暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
- スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
- 紀伊國屋書店 2002-02-16
- 単行本
- 4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
- 評価
20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!
- 暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
- 結城 浩 (著)
- SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
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- B015643CPE (ASIN)
- 評価
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- 科学2024年3月号[雑誌]
- 岩波書店『科学』編集部 (編集)
- 岩波書店 2024-02-22 (Release 2024-03-01)
- Kindle版
- B0CW1DZS1W (ASIN)
- 評価
この号の特集は「現代暗号の展開と応用」。耐量子計算機暗号や格子暗号といった今どきなキーワードも出てくる。
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厳密には1.4系もあるが,これは legacy 版と位置付けられており,よほどのバグか脆弱性がない限りは更新されない。もし今だに1.4系(あるいは既にサポートされていない2.0/2.1系)を使っているのなら2.4系以降にアップグレードすることを強くお勧めする。 ↩︎