「ピノキオ」と AI
2015年8月18日に Facebook の TL に書いた記事。 妄想だけど(笑)
ちょっと書き足してこちらに再掲載する。
これは妄想だけど,私は「AI が人らしくなる」のではなく, AI が「知能」の本質を暴きたてることにより,人のほうが AI 側に接近するのではないかと思っている。 だからロボット等を人に似せようとする(見かけだけでなく感情を組み込むなどとする)プロジェクトにはあまり興味がない。 お金は集めやすいだろうけどね。 でも下手に愛玩動物や人間に似せたロボットより丸っこい自走掃除機の方がよほど感情移入しやすいってのも人間の性である。
ロボットや AI を人に似せようとしても「ピノキオ」にしかならない。 ピノキオの物語1 はハッピーエンドに終わるが,現実にはピノキオを人間にする妖精など存在しないのだ。
「鉄腕アトム」のモチーフはピノキオなんだそうだ。 そして作中の「父親」である天馬博士も更には作者の手塚治虫さんもアトムをそれほど愛していなかった。 ピノキオを人に似せようとすればするほど「人に非ざる」ことが明瞭になる。
「人に非ざる」ものを人に「包摂」しなければ向き合えないのか(ヒト・ショーヴィニズム2)。 それとも異質な知能として対象に「接続」し理解していくのか。
まぁ個人的には「キカイダー」のほうがピノキオぽいけどね3。
ブックマーク
- Robots in Europe May Become “Electronic Persons”
- 「エイリアン・インテリジェンス」としてのAI──ケヴィン・ケリー|WIRED.jp
- 人工知能は「ハイル・ヒトラー」と叫ぶか
- non-human person の「人権」 — Baldanders.info
参考図書
- キカイダー02(1) (角川コミックス・エース)
- MEIMU (著), 石ノ森 章太郎 (その他)
- KADOKAWA 2013-09-17 (Release 2013-10-17)
- Kindle版
- B00F5P454W (ASIN)
- 評価
「キカイダー」を神秘学的視点で再解釈する(笑)
- イヴの時間 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
- 吉浦康裕 (著), 太田優姫 (著)
- スクウェア・エニックス 2010-09-25 (Release 2013-10-25)
- Kindle版
- B00FZG82U4 (ASIN)
- 評価
同名アニメーション作品のコミカライズ。ヒトとロボットが交わる時間。
-
原作は Carlo Collodi 著 “Le Avventure di Pinocchio”。当時のイタリアの社会風刺を織り込んだ作品と言われている。 ↩︎
-
「ショーヴィニズム(chauvinism)」とは「盲目的愛国主義」とかもっと一般的に「◯◯至上主義」みたいなニュアンスの言葉らしい。排外主義の一種といえる。故 Carl Sagan 博士は1971年の通称「ビュラカン会議」においてこの「ショーヴィニズム」という単語を用い,宇宙生命を考える際に私たち地球人が如何に地球中心思想に毒されているかという主張および議論を行った。(金子隆一著『ファースト・コンタクト』 p.50-51 より) ↩︎
-
「キカイダー」もピノキオがモチーフらしい。まっロボットと AI が出てくる作品では割と定番ってことなんだろうけど。 ↩︎