STAP 教と「説教サイト」
ちょっと訳あって昔の自分の記事を掘り返してたら懐かしいものを見つけた。
もちろん冗談で書いたのだが,なんだか着々と実現してるっぽくて怖いよ,おじさんは(笑)
学術レベルの STAP 論争については,ちょうど1年前に当のハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)によってトドメが刺されている。
ここで
とあるように,真っ当な研究者でも簡単に認知バイアスの罠に陥ってしまうことがある。 これを避けるためにはもっと “checks and balances” が必要だよね,というよくある話でオチがついた。
一方の日本では(今年の春だったかな)特許申請がどうとかドイツで STAP 細胞が再現されたとか今だに騒いでるようで,私の Facebook の TL にもちょろちょろ流れてきていた。
ちなみに特許申請が云々というのはこの辺の話だろうか。
ここでも書かれている通り特許申請の有無と STAP 細胞存在の有無は基本的に関係がない。 しかも STAP 細胞は再現されていないのだから(少なくとも日本や米国などでは)申請は通らないだろう。 まっ,通ったとしても誰も再現できないのだから意味ないけど。
で,ドイツで STAP 細胞が再現された云々ってのはこの論文のことを指すらしい。
でもこの論文には STAP 細胞が再現されたとは一言も書かれてない。 ちょろんと眺めてみれば Highlights に
とキッパリ書かれているし Abstract でも
と締めくくられている。 なんでこれで「STAP 細胞が再現された」という騒ぎになるのかよく分からん。
そういえば『神道入門』では宗教や信仰についてマスメディアの影響を指摘している。
おそらく「そういう人たち」というのは「芸人」とさして変わらないとみなされているのだろう。 テレビで行う呪術的行為を芸の一種と見なしているわけだ。 おそらく STAP 論争もメディアから見れば「バラエティ枠」なんだと思う。
そういや10年近く前に「あるある某」とかいう捏造番組があったな。
もうテレビ自体見なくなったのですっかり忘れていたが,私が「説教番組」と名付けたのも,その番組スタイルがいかにも「説教」だったからだ。 日本の STAP 論争がカルトっぽく見えてしまうのもネット上のメディアが「説教番組」のスタイルを取り入れていっているのだろう。
ちうわけで,この手のアレな情報をいかにもそれらしく「説教」のように垂れ流すサイトをこれから「説教サイト」と呼ぶことにする。
- 神道入門 日本人にとって神とは何か (平凡社新書)
- 井上 順孝 (著)
- 平凡社 2006-01-12 (Release 2013-08-01)
- Kindle版
- B00EUVZHX0 (ASIN)
- 評価
Kindle 版登場。日本の神道の系譜が網羅的に書かれている。