お金を払いたくなるような...

no extension

どうも,久しぶりの更新。

私事なので詳しくは書けないのですが,実は4月末あたりから環境が激変してまして,ここ1ヶ月位はほとんどネットも見ていません。 自宅のテキストエディタも久しぶりに開きました。 もう少ししたら落ち着くと思います。

ここは生活のために書いているわけではないので,これまでどおり「書きたくないときには書かない」ということで。 昔は仕事が忙しすぎて半年くらい音沙汰なしとかあったもんなぁ。

さて,そんな日常生活とは別に久しぶりにゲームにハマりましたよ。

Google Play でやたら評価の高いゲームがあって1,試しにやってみたら面白かったのだ。 年配の方2 には「クロノトリガーみたいな一人用 RPG」と説明すれば分かりやすいかもしれない。 まぁ,加藤正人さん等が制作に携わってるらしいのでクロノトリガーっぽくても納得だが。

こういう「Polchinski のビリヤード」のようなタイムパラドックスものって日本人は大好きだよね。 昨年話題になった「君の名は。」もそうだし。

インストールは無料でゲーム内課金ができる。 ただし,お金を払わなくても十分遊べる。 全26章のメイン・シナリオと外伝的なサブ・シナリオ(クエスト形式)がある。 外伝のシナリオは逐次追加配信されるようだ。

メイン・シナリオの18章までは何も考えずさくさく進めたが,終盤で行き詰まってしまった。 どうやらテキトーにキャタクタを編成してレベルアップさせただけでは無理っぽい。 ので,現在は腰を据えてキャラを調教もとい育成中である。

ソーシャル要素は一切なし。 ここが重要。 いや,もう,ソーシャル・ゲームはわりかし満腹なのよ(あっ,でも「リネージュ2 レボリューション」は事前登録したよ)。 かといって今更コンシューマ機でゲームなんかする気もないし。


こっからは感想というか戯れ言。

1年半前に MFF をやり始めてからスマホ用の国産 RPG を色々試してるんだけど「ガチャ」機能のないゲームって見当たらないよね。 そう考えると Ingress やポケモン GO が,収益構造の面からも,いかに秀逸なゲームだったか,と思う。

ゲームの「ガチャ」についてはそれぞれ思う人がいると思うが,個人的には リセマラしないと進められないゲームはクソゲー」 だと思う。

随分前から言われているけど,情報にまつわるほぼ全てのものがコモディティ化している現代に(本にせよ音楽にせよゲームにせよ)コンテンツそのものには金銭的価値がなくなっているわけよ。 そうなるとどこに(お金が取れる)価値を見出すかって話になるわけで,それはもうユーザの「体験」しかないということになる。

ゲームってのは単なるコンテンツじゃなくて体験(play)そのものである。 であるなら,その体験の中でいくらでもお金を取る機会はあるはずだろう。 なのに日本の制作会社の多くは「ガチャ」という射幸心を煽るだけの最も安直な手段を選択してしまった。

ここ1年半の間に幾つかのゲームで遊んでみたけど「ガチャ」はゲーム内のバランスを壊しかねない危険な機能である。 特にソーシャル・ゲームではガチャにつぎ込んでレア・アイテムを手に入れないと他のユーザと並び立つこともできないというかなり残念な状況になっている(ゆえにリセマラみたいな謎の儀式が行われるわけだが)。 これが私にとって「ソーシャル・ゲームはわりかし満腹」な理由でもある。

この点,一人プレイの「アナデン」は他者との比較がないぶんゲーム世界に没入しやすい。 ていうかコンピュータ RPG の面白さって本来は「いかにゲーム世界に没頭できるか」だと思う3。 Role-Playing Game ってのは文字通り「ごっこ遊び」なんだから。 「ごっこ」の部分がつまらなくてひたすら「ガチャ」を回すだけなら,それはただのパチスロである。 私はパチスロがやりたいのではなく RPG がやりたいのだ!

私は「ガチャ」は無料枠で済ませ,バトル・コンティニュー用の保険として少額を課金した4。 今後もゲームを続けるなら課金することもあるかもしれない。

(本にせよ音楽にせよゲームにせよ)多くのユーザは良い体験にはちゃんとお金を払う。 もちろん体験の仕方は人それぞれだが。 大事なことは「良い体験」に対して自然にお金が流れるような仕組みを作り上げることである。 お金は価値可換な媒体であり社会を巡る血液のようなものである。 無理な搾取をしたり必要なところに行き渡らなければシステムが壊死を起こす。 ゲーム分野でも(廃ゲーマから搾取するのではなく)もっと薄く広くお金を取れる体験を提供できるよう努力すべきなんじゃないのか。

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賢者の弟子を名乗る賢者1 (GCノベルズ)
りゅうせんひろつぐ (著), 藤ちょこ (イラスト)
マイクロマガジン社 2014-06-30 (Release 2014-07-01)
Kindle版
B00LF90DZW (ASIN), 9784896374650 (EAN), 4896374657 (ISBN)
評価     

最近のお気に入りラノベ。 Web 版も愛読している。こういう設定のゲームとかあったら楽しいかなぁ。

reviewed by Spiegel on 2017-06-09 (powered by PA-APIv5)


  1. 量が全てではないのだが,スマホのゲームは詐欺アプリも多く,制作会社とレビューを見て,なるべく身持ちの固いものを選ぶようにしている(ちなみに評価のうち★2以下は無視している。低評価のものをわざわざレビューする奴の気がしれない。誰に対するヘイトなんだw)。「アナデン」の制作会社である Wright Flyer Studios 社はゲーム会社としては有名だし,まぁ大丈夫かな,と。もう「ドラクエで3徹」とかする歳じゃないし,ゲームに関しては late majority に徹することにしている。 ↩︎

  2. 「クロノトリガー」の初出は1995年なので,当時10歳だったとしても三十路に突入している。ちなみに私は既に30歳だったけどね(笑) ↩︎

  3. 私のコンピュータ RPG の原体験は「ウィザードリィ」と「ドラクエ」なので,若い人たちとは感覚が違うかもしれないが。 ↩︎

  4. アナデン」では今のところガチャと戦闘中のコンティニューが課金対象である。もちろん無料枠で済ますことも可能。私はボス戦では復活アイテムを使いまくってゴリ押しするタイプなので,コンテニュー用に保険をかけておくことが必須なのである(笑) ↩︎