エンジニアこそ「狂狷の徒」たれ
ここのところ立て続けに「狂」の字を見かけたせいで10年近く前に書いたこの記事を思い出してしまった。
折角なので再構成して再掲載する。 記述は2008年当時のものなので,悪しからずご了承の程を。 古くて切れてるリンクは張り直した。
最近(2008年当時), 時事的なネタ以外で面白いと思っているのが白田秀彰さんの「現実デバッグ」の中の「教育制度批判」シリーズだ。
- No. 16 教育制度批判 その前に | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 17 教育制度批判 その前に その2 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 18 教育制度批判 その1 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 19 教育制度批判 その2 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 20 教育制度批判 その3 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 21 教育制度批判 その4 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 22 教育制度批判 その5 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 23 教育制度批判 その6 | ワイアードビジョン アーカイブ
- No. 24 教育制度批判 その7 | ワイアードビジョン アーカイブ
以前,某 SNS で道徳教育について知り合いと意見を交わしたことがある。 白田秀彰さんの記事は,その時の知り合いの意見とよく似ている。 一方,私はと言えば「美しいフィクション」なんか要らないんじゃないかと思ってたりする。 愛国心なんて犬も食わないようなものは端から捨てて,リテラシーやリスク感覚を身につけるよう義務教育から訓練すべきだという意見。 もちろん,私は私なりに道徳観念や信仰や宗教観のようなものはあるが,それは全て学校外で身に付いたものだ。 学校教育で「それ」をやる必然性はないのだ。
まっ,私の不穏当な意見は置いておくとして,もうひとつ「おおおっ」と思った記事がある。 yomoyomo さんの「情報共有の未来」の記事のひとつ「「自由の真の代償」と「自由の真価」 ― サイバースペース独立宣言を越えて」 で紹介されている以下の記事だ。
- クーリエ連載;エコノミスト紹介、自由のためなら人が死んでもいい(この中で紹介されている「自由の本当のコスト」の原文)
内容の全く異なるこれら2つの記事を読んで私は何故か両者に共通するものがあるように感じた。 それは何だろうと考えて「狂狷の徒」というフレーズを思い出した。
「
「教育制度批判」を書いておられる白田秀彰さんも Econimist のあの論説を書かれた方も「狂狷の徒」だと思う。
「世の中を変えたければ自分を変えろ」というのは自己啓発の決まり文句だが,自分を変えるとはすなわち「狂狷の徒たれ」ということだ。 それがどれだけ覚悟のいることなのか,2つの記事は生々しく伝えてくれている。
実は私,この記事についてちょうど1年前にも Facebook の TL で言及していて(ということに今朝気がついた), 私は当時の TL にこう書いていた。
これは,結城浩さんの以下の tweet に反応したもの。
で,私自身は更にこう呟いていた。
2008年当時の自分の記事を読んで,あれから10年も経つのに「世の中ちっとも変わらない」気がする。 いや,短期的には時々刻々と変化しているのは間違いないんだけど,大局としては同じところをぐるぐる周り続けている気がして仕方がない。 ハムスターの「回し車」というか,これぞまさに「輪廻」って感じではある。
おそらく,今日明日にも「ネットの中立性」について FCC から何らかの判断がされるだろうし, ICO に群がる蟻の生態を見ていると「また IT バブルか」とウンザリする部分もある。 それでも私たちエンジニアは,前だけではなく,上を向いて螺旋階段を登るべきだと思うのだ。
ブックマーク
(ブックマークは『「ネットの中立性」と「後出しジャンケン」と「多文化主義的メディア」』に移動した)
参考図書
- 情報共有の未来
- yomoyomo (著)
- 達人出版会 2011-12-30 (Release 2012-02-19)
- デジタル書籍
- infoshare (tatsu-zine.com)
- 評価
同名ブログの書籍化。感想はこちら。
reviewed by Spiegel on 2012-11-03
- イノベーション 悪意なき嘘 (双書 時代のカルテ)
- 名和 小太郎 (著)
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- 評価
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- 白田 秀彰 (著)
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- 評価
ライアカ本。 Web 2.0 真っ只中に書かれた本だが,時事的な部分を除けば古びてはいないと思う。