猫を殺すに猫を以ってせよ
まずは2011年3月11日より今だ困難な生活と気持ちを強いられている方々には心よりお見舞いを申し上げます。
三十数年ぶりに日本屈指の過疎県の「原発の町」に
それはさておき「YAMDAS現更新履歴」でまた私の拙文を紹介していただいたのだが,その記事の後半の八田真行さんの記事の引用といい感じにリンクしているのでネタにさせてもらおう。
Facebook や Twitter からこのブログに辿り着いた方は気がついてるかもしれないが,この「しっぽのさきっちょ」ではアテンション画像に以下の猫の写真を使っている。
これは月山に遊びに行ったときに撮った写真のひとつである。 ただのアテンション画像で Facebook や Twitter のリンクからやってきても件の猫写真はページに貼られていなかったりする。
まぁ OGP や Twitter Cards に対するささやかな皮肉のつもりなのだが,はてなブログのリンクにもこの猫写真が表示され,その下の八田真行さんの記事の引用で
と書かれていて,その見事なマッチングに笑ってしまったのだ1。
ゼロ年代によく「ブログは引用の束」と言われたが,これは単なるリンクや引用の集まりという意味ではなく,本来の文脈と切り離された「引用」が記事上で別の「文脈」あるいは「行間」を構成してしまう状況を指している。 インターネットを「コンテンツ・デリバリ装置」だと思っている人には分かるかな。 分っかんねーだろうな(反語)
んで,そのときに頭に浮かんだのが「好奇心は猫をも殺す」と「猫を償うに猫をもってせよ」というフレーズだったりする。 というわけで,今回のタイトルの説明でした。
ちなみに「安全」と「安心」を一緒くたに語る人間を(たとえそれが高名なセキュリティ専門家でも)私は信用しないことにしている。
うろ覚えで間違っているかもしれないが「安全」とはリスクで統計や確率を使った量的評価を指すが「安心」というのは(字の示すとおり)心の問題であり実際には何も保証していない。 英語で言うと「セキュリティ劇場(security theater)」というやつである。
そうやって「安心」に耽溺している間に猫にでも殺されればいいさ(笑)
参考図書
- セキュリティはなぜやぶられたのか
- ブルース・シュナイアー (著), 井口 耕二 (翻訳)
- 日経BP 2007-02-15
- 単行本
- 4822283100 (ASIN), 9784822283100 (EAN), 4822283100 (ISBN)
- 評価
原書のタイトルが “Beyond Fear: Thinking Sensibly About Security in an Uncertain World” なのに対して日本語タイトルがどうしようもなくヘボいが中身は名著。とりあえず読んどきなはれ。ゼロ年代当時 9.11 およびその後の米国のセキュリティ政策と深く関連している内容なので,そのへんを加味して読むとよい。
- リスク 不確実性の中での意思決定 (サイエンス・パレット)
- Baruch Fischhoff (著), John Kadvany (著), 中谷内 一也 (翻訳)
- 丸善出版 2015-04-26
- 新書
- 4621089188 (ASIN), 9784621089187 (EAN), 4621089188 (ISBN)
リスクおよびリスク・コミュニケーションについて学び直そうと買った本。今読んでるところ。そのうち感想文とか書けるといいな。
- FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- ハンス・ロスリング (著), オーラ・ロスリング (著), アンナ・ロスリング・ロンランド (著), 上杉 周作 (翻訳), 関 美和 (翻訳)
- 日経BP 2019-01-11 (Release 2019-01-01)
- Kindle版
- B07LG7TG5N (ASIN)
Twitter で見かけて衝動買いした。ちょっとだけ読んで積ん読中。
- 猫を償うに猫をもってせよ
- 小谷野 敦 (著)
- 白水社 2008-06-01
- 単行本
- 4560031843 (ASIN), 9784560031841 (EAN), 4560031843 (ISBN)
読んでません。ゴメンペコン。
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Facebook の TL で見えた展開から考えるに,この部分を引用したのは意図的なものだと思うけど,「猫」で2つの記事が繋がっているとは yomoyomo さんも考えてなかったかもしれない(笑) ↩︎