絶対インターネットになんか負けたりしない!!
この記事を見て GitHub の CEO がレイプ目で「アメリカには勝てなかったよ」とか言ってるシーンを妄想してしまった私は薄汚れてますね,すみません。
今回の記事に関して
とかいった話も聞かれるが,はっきり言って git には「マスターリポジトリ」などというものは存在しない。 上流にあるリポジトリも下流にあるリポジトリも実質的に等価であり,入れ替えも分岐も簡単にできるし上流リポジトリを分散させることも可能だ。 これがそれまで主流だった CVS や Subversion などといったものとは異なる部分である。
もし GitHub に BAN されたら開発体制が決定的に破綻してしまうというのなら,この機会に見直しを行ったほうがいいだろう。 職業エンジニアなら特定のサービスにロックインしてしまうことの危うさは身に沁みているはずである。
商用利用が解禁されて以降,つまり20年以上前からインターネットは「分散ネットワーク」でも「非中央集権ネットワーク」でもなくなった。 これを印象づけたのが2010年末から始まった「アラブの春」である。 市民運動で揺れるエジプトではたった5本の電話で8000万人のインターネット・アクセスが遮断された。
つまり GitHub も「停止スイッチ」を持っていて,国家はそのスイッチを押させることができるということだ。
これから本気で「分散ネットワーク」とか「非中央集権ネットワーク」とかいったものを構築したいのなら,それは最低でも「インターネットがなくとも機能する」ことが要件となるだろう。 インターネットは(国家や社会や企業といったものの思惑に)敗北したのだから。
ブックマーク
参考図書
- サイバーセキュリティ (別冊日経サイエンス)
- 日経サイエンス編集部 (編集)
- 日本経済新聞出版社 2016-04-22 (Release 2016-04-22)
- ムック
- 4532512123 (ASIN), 9784532512125 (EAN), 4532512123 (ISBN)
- 評価
『日経サイエンス』2012年6月号の「介入されないもうひとつのウェブ」が収録されている。その他にも2010年代前半におけるセキュリティ問題についてよくまとめられている。