『数学ガールの秘密ノート／ビットとバイナリー』で遊ぶ

やったー！ サブタイトルから期待はしてたけど，今回はリサちゃんが大盛りだ（《ちゃん》は不要）。

なんか読んでてニヨニヨしてしまう。

以前にブログで私の出自について書いたような気がするけど，私がコンピュータやコンピュータ・プログラミングを「正式」に習ったのって社会人になってからなんだよね。 「ビットとバイナリー」を読んでいると当時を思い出してニヨニヨしてしまうのだ。

今の人には信じられないかもしれないけど，昔のプロセッサは命令 (instruction) 数が少なくて整数の四則演算すら満足になかったので，アセンブラで割り算とか書いてたりしてたんだよね¹。 だから「ビットとバイナリー」の理解は当時のプログラマにとって必須だったわけ。

今回一番の「お気に入り」はなんといっても4章の「フリップ・トリップ」だ。 リサちゃん大盛りだし（笑）

実は「フリップ・トリップ」というゲームは知らなかったのだが，ルールを教えてもらえばこれが「ハノイの塔」のバリエーションであると分かる。 そんで案の定「ルーラー関数」や「グレイコード」へ展開し，4章の最後の最後に「ハノイの塔」が出てきたところで読者たる私はカタルシスを得るわけだ。

なんという孔明の罠。 結城浩さんが作家でよかったよ。 もし詐欺師だったら稀代の犯罪者になれるんじゃないだろうか。

4章を読んでて思ったのだが，私がリサちゃんを「お気に入り」なのって，たぶん彼女が数学と工学を繋ぐ，いや「結ぶ」役割だからじゃないだろうか。 だから出自からして「工学」に偏ってる私は彼女に感情移入してしまうのだろう。

これ，コミカライズしないかな。 リサちゃんが（多分）ドヤ顔で「お気に入り」と言ってる絵が見たい！

学校教育でくだらない「プログラミング教育」なんかするくらいなら，こういう本を学校の図書館やクラスの「学級文庫」に置くべきだよねぇ。 いや，学生さんでまだ「夏休みの読書感想文」の題材が決まってないなら是非「ビットとバイナリー」にすべき。 頑張れば小学生高学年でも理解できる。

参考図書