警察にできることは犯罪者にもできる
ホント,懲りないよなぁ。
警察や軍といったいわゆる「暴力装置」は「暴力」を背景に国民・市民・人民を統制するもので,前提としてそれが圧倒的な power を有している必要がある。 これは純然たる「暴力」であれば通用するかもしれないが「情報力」に関しては前提が崩れてしまう。 理由は単純で
からだ。
この問題に対して,世の為政者達は「暴力装置」の「情報力」不足を相手側を(法によって)弱めることで補おうとしているようだが,法から逸脱している犯罪者には効果がない。 況んや国家に敵対する存在においてをや,である。 結果,国家や法に従順な私達「羊」だけが馬鹿を見ることになる。 こうなると負のスパイラルだ。 セキュリティ・リスク管理の観点からは最悪の展開と言える1。
暗号が国家や軍の所有物だったのは四半世紀以上も前の話である。 「イミテーション・ゲーム」はとうに終わっているのだ。 いい加減目を覚ましていただきたい。
そういう意味で,スティーブン・レビーの『暗号化』はマジで必読書だと思うのだが,事実上の絶版だよねぇ。 せめて Kindle 化してくれんものか。
ブックマーク
参考図書
- 暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
- スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
- 紀伊國屋書店 2002-02-16
- 単行本
- 4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
- 評価
20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!
- グリゴリの捕縛
- 白田 秀彰
- 2001-11-26 (Release 2014-09-17)
- 青空文庫
- 4307 (図書カードNo.)
- 評価
白田秀彰さんの「グリゴリの捕縛」が青空文庫に収録されていた。
内容は 怪獣大決戦 おっと憲法(基本法)についてのお話。
古代社会 → 中世社会 → 近代社会 → 現代社会 と順を追って法と慣習そして力(power)との関係について解説し,その中で憲法(基本法)がどのように望まれ実装されていったか指摘してる。
その後,現代社会の次のパラダイムに顕現する「情報力」と社会との関係に言及していくわけだ。
reviewed by Spiegel on 2019-03-30 (powered by aozorahack)
- イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版)
- ベネディクト・カンバーバッチ (出演), キーラ・ナイトレイ (出演), マシュー・グード (出演), ロリー・キニア (出演), モルテン・ティルドゥム (監督), グラハム・ムーア (Writer)
- (Release 2015-10-02)
- Prime Video
- B015SAFU42 (ASIN)
- 評価
主人公であるアラン・チューリングは今もなお「天才」と称される数学者であり,「コンピュータの父」と呼ばれるほどの偉人である。そしてチューリングの偉業のひとつが,旧ナチス・ドイツの暗号機械「エニグマ」の解読である。作品はそのエニグマの解読を主軸に物語を展開していく。感想はこちら。
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もちろんこれは「暗号」に限る話ではない。セキュリティ・リスク管理というのは(たとえそれが「ゼロ・トラスト」と呼ばれるものであっても)何らかの「信用」をベースに回っているわけで,そのベースが崩れれば試合終了である。最近の例では「PC 廃棄業者(の従業員)がストレージを転売してた」話とか典型的だろう。 ↩︎