警察にできることは犯罪者にもできる

no extension

ホント,懲りないよなぁ。

Facebookは今回の公聴会の前に、ウィリアム・バー米司法長官宛の公開書簡で、「あなたが要求する“バックドア”は、犯罪者、ハッカー、抑圧的な政権へのプレゼントになってしまう。バックドアはそうした人々がわれわれのシステムに侵入することを許し、プラットフォーム上の人々を危険にさらす。バックドアを1つの目的のためだけに作成し、他の目的で開けないようにすることは技術的に不可能だ」と説明した
AppleやFacebookが法執行機関向けバックドアを作らないなら暗号化を法律で規制するより

警察や軍といったいわゆる「暴力装置」は「暴力」を背景に国民・市民・人民を統制するもので,前提としてそれが圧倒的な power を有している必要がある。 これは純然たる「暴力」であれば通用するかもしれないが「情報力」に関しては前提が崩れてしまう。 理由は単純で

警察にできることは犯罪者にもできる

からだ。

この問題に対して,世の為政者達は「暴力装置」の「情報力」不足を相手側を(法によって)弱めることで補おうとしているようだが,法から逸脱している犯罪者には効果がない。 況んや国家に敵対する存在においてをや,である。 結果,国家や法に従順な私達「羊」だけが馬鹿を見ることになる。 こうなると負のスパイラルだ。 セキュリティ・リスク管理の観点からは最悪の展開と言える1

暗号が国家や軍の所有物だったのは四半世紀以上も前の話である。 「イミテーション・ゲーム」はとうに終わっているのだ。 いい加減目を覚ましていただきたい。

そういう意味で,スティーブン・レビーの『暗号化』はマジで必読書だと思うのだが,事実上の絶版だよねぇ。 せめて Kindle 化してくれんものか。

ブックマーク

Beware the Four Horsemen of the Information Apocalypse: terrorists, drug dealers, kidnappers, and child pornographers. Seems like you can scare any public into allowing the government to do anything with those four.
via Computer Crime Hype - Schneier on Security
Since the terrorist attacks of 9/11, the US government has been pushing the terrorist scare story. Recently, it seems to have switched to pedophiles and child exploitation.
via Scaring People into Supporting Backdoors - Schneier on Security

参考図書

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暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
紀伊國屋書店 2002-02-16
単行本
4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
評価     

20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!

reviewed by Spiegel on 2015-03-09 (powered by PA-APIv5)

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グリゴリの捕縛
白田 秀彰
2001-11-26 (Release 2014-09-17)
青空文庫
4307 (図書カードNo.)
評価     

白田秀彰さんの「グリゴリの捕縛」が青空文庫に収録されていた。 内容は 怪獣大決戦 おっと憲法(基本法)についてのお話。 古代社会 → 中世社会 → 近代社会 → 現代社会 と順を追って法と慣習そして力(power)との関係について解説し,その中で憲法(基本法)がどのように望まれ実装されていったか指摘してる。 その後,現代社会の次のパラダイムに顕現する「情報力」と社会との関係に言及していくわけだ。

reviewed by Spiegel on 2019-03-30 (powered by aozorahack)

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版)
ベネディクト・カンバーバッチ (出演), キーラ・ナイトレイ (出演), マシュー・グード (出演), ロリー・キニア (出演), モルテン・ティルドゥム (監督), グラハム・ムーア (Writer)
(Release 2015-10-02)
Prime Video
B015SAFU42 (ASIN)
評価     

主人公であるアラン・チューリングは今もなお「天才」と称される数学者であり,「コンピュータの父」と呼ばれるほどの偉人である。そしてチューリングの偉業のひとつが,旧ナチス・ドイツの暗号機械「エニグマ」の解読である。作品はそのエニグマの解読を主軸に物語を展開していく。感想はこちら

reviewed by Spiegel on 2015-04-19 (powered by PA-APIv5)


  1. もちろんこれは「暗号」に限る話ではない。セキュリティ・リスク管理というのは(たとえそれが「ゼロ・トラスト」と呼ばれるものであっても)何らかの「信用」をベースに回っているわけで,そのベースが崩れれば試合終了である。最近の例では「PC 廃棄業者(の従業員)がストレージを転売してた」話とか典型的だろう。 ↩︎