Go 1.13.7 リリース予告と CVE-2020-0601
来週1月28日(日本時間では1月29日かな)に Go 1.13.7 のリリースがあるようだ(予定は未定)。
Go 1.13.7 にはセキュリティ・アップデートが含まれる。
CVE-2020-0601 は Windows CryptoAPI の不備で楕円曲線暗号(ECC)を使った証明書の検証がバイパスされてしまうというもの。 これによって証明書の偽装ができてしまう。 あとは分かるね。
CVSSv3 の評価は以下の通り。
基本評価基準 | 評価値 |
---|---|
攻撃元区分 | ネットワーク |
攻撃条件の複雑さ | 低 |
必要な特権レベル | 不要 |
ユーザ関与レベル | 要 |
スコープ | 変更なし |
機密性への影響 | 高 |
完全性への影響 | 高 |
可用性への影響 | なし |
スコアは 8.1 (深刻度:重要)1。
ただし,この脆弱性は1月の Windows Update で修正されている筈である。 つか,私はもう関係ないので完全にスルーしていた(笑)
今回の CVE-2020-0601 の特徴は NSA が絡んでいる点である。
NSA の思惑は分からない。 しかし
とある通り(どこぞの馬鹿メディアが言ってたみたいな)別に NSA の「お手柄」でもなんでもなく,政治的な思惑があって色々と天秤にかけた結果「公表」したということだろう。 まっ,国家の諜報機関なのだから当たり前だが(笑)
というわけで,自前で防衛手段を持つというのは悪い話ではない。
ブックマーク
- Critical Windows Vulnerability Discovered by NSA - Schneier on Security
- Windowsの暗号化機能に致命的な脆弱性、証明書偽装の恐れ ~米国家安全保障局が警告 - 窓の杜
参考図書
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- Kindle版
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- 4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
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- 評価
主人公であるアラン・チューリングは今もなお「天才」と称される数学者であり,「コンピュータの父」と呼ばれるほどの偉人である。そしてチューリングの偉業のひとつが,旧ナチス・ドイツの暗号機械「エニグマ」の解読である。作品はそのエニグマの解読を主軸に物語を展開していく。感想はこちら。
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CVSSv3 ではスコア7.0以上なら速やかな対応が求められる。アップデートは計画的に(笑) ↩︎