Web 3.0 は「絶滅」を回避できるか
最近,面白い記事を立て続けに見かけたので覚え書きとして記しておく。
最初は yomoyomo さんの記事。
この記事によると Web 3.0 は以下のように特徴づけられるらしい。
たとえば Bitcoin/Blockchain は当初「脱中央集権化」の象徴として注目されたが,現在は「チューリップの球根」程度の価値しかなく,決済手段としては ransomware の身代金くらいしか見かけなくなってしまった(偏見)。 G20 がこれらを(仮想通貨でも暗号通貨でもなく)「暗号資産」と呼んだのは慧眼だったというほかない(笑)
Bitcoin/Blockchain がここまで堕したのは,中核要素である PoW (Proof of Work) がネットを含む社会における階級化の制約条件(のひとつ)になっているからである。
であるなら,重要なのは「誰が『情報力』の制御を握るか」である。 Bitcoin/Blockchain は PoW の問題を解決しない限り “re-decentralizing” の反対側に進み続けるだろう。
もうひとつは Bruce Schneier さんの記事。
Schneier 先生ってば最近はこんな仕事をされてるんだねぇ。
おそらく,この Solid が最初に挙げた記事とこの記事とをリンクするキーワードなのだろう。
ただ,一方で
とも書かれており, Solid プロジェクトそのものよりも「情報および情報力の制御を『個人』に回帰させる」ための研究や開発を促していくことが,今は重要なんだと思わせる。
Web 3.0 で VRM (Vendor Relationship Management; 企業関係管理) の夢よ,もう一度。 とかなれば面白いんだろうけど,もうしばらく様子を見てみますかね。
ブックマーク
参考図書
- もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来
- yomoyomo (著)
- 達人出版会 2017-12-25 (Release 2019-03-02)
- デジタル書籍
- infoshare2 (tatsu-zine.com)
- 評価
WirelessWire News 連載の書籍化。感想はこちら。祝 Kindle 化!
reviewed by Spiegel on 2018-12-31
- インテンション・エコノミー~顧客が支配する経済
- Doc Searls (著), 栗原潔 (翻訳)
- 翔泳社 2013-03-14 (Release 2013-06-20)
- Kindle版
- B00DIM6BE6 (ASIN)
- 評価
時代はソーシャル CRM から VRM へ。俺達がインターネットだ! 感想文はこちら。
- グリゴリの捕縛
- 白田 秀彰
- 2001-11-26 (Release 2014-09-17)
- 青空文庫
- 4307 (図書カードNo.)
- 評価
白田秀彰さんの「グリゴリの捕縛」が青空文庫に収録されていた。
内容は 怪獣大決戦 おっと憲法(基本法)についてのお話。
古代社会 → 中世社会 → 近代社会 → 現代社会 と順を追って法と慣習そして力(power)との関係について解説し,その中で憲法(基本法)がどのように望まれ実装されていったか指摘してる。
その後,現代社会の次のパラダイムに顕現する「情報力」と社会との関係に言及していくわけだ。
reviewed by Spiegel on 2019-03-30 (powered by aozorahack)