TeX Live 2020 で原ノ味フォントを使う

no extension

原ノ味フォントは Adobe と Google が共同開発している「源ノ」フォントからの派生で, $\mathrm{\TeX}$/$\mathrm{\LaTeX}$ において日本語を扱いやすいようチューニングされているらしい。 ちなみに「源ノ」フォントと同じく SIL Open Font License 1.1 の下に提供されている。 ありがたや。

TeX Live 2020 で原ノ味フォントが正式に組み込まれ日本語の既定フォントになったようだ。 ただし 2019 およびそれ以前からアップグレードした場合は

$ kanji-config-updmap status
CURRENT family for ja: ipaex (variant: <empty>)
Standby family : haranoaji
Standby family : ipa

のように以前の設定を引き継いでいるため,原ノ味フォントを使うなら手動で設定変更する必要がある1

$ kanji-config-updmap-sys --jis2004 haranoaji

これで設定が

$ kanji-config-updmap status
CURRENT family for ja: haranoaji (variant: -04)
Standby family : haranoaji
Standby family : ipa
Standby family : ipaex

となった。

upLaTeX による組版

まずは $\mathrm{up\LaTeX}$ で組版を行い,フォントの違いを調べてみる。

入力テキスト

$\mathrm{up\LaTeX}$ 用に入力テキストを用意する。 こんな感じ。

\documentclass[uplatex,a4paper]{jsarticle}
\usepackage[deluxe]{otf}

\begin{document}

{\mcfamily\ltseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(明朝体・細字)}\par
{\mcfamily          ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(明朝体・中字)}\par
{\mcfamily\bfseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(明朝体・太字)}\par

{\gtfamily          ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(ゴシック体・中字)}\par
{\gtfamily\bfseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(ゴシック体・太字)}\par
{\gtfamily\ebseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(ゴシック体・極太)}

\end{document}

これを uplatex コマンドで処理する。

組版結果(IPAex フォント使用)

まずは IPAex フォントで組版した結果がこちら。

upLaTeX 出力結果(IPAex フォント使用)
upLaTeX 出力結果(IPAex フォント使用)

IPAex フォントはウェイトのバリエーションがないためこんな感じになる。

組版結果(原ノ味フォント使用)

原ノ味フォントを使った組版結果がこちら。

upLaTeX 出力結果(原ノ味フォント使用)
upLaTeX 出力結果(原ノ味フォント使用)

各ウェイト毎にフォントが対応しているのが分かるだろうか。 あと,絵文字の字形が違うんだけど,いいのか?

LuaLaTeX による組版

今度は $\mathrm{Lua\LaTeX}$ で試してみる。

入力テキスト

\documentclass{ltjsarticle}
\usepackage[haranoaji,deluxe]{luatexja-preset}
\usepackage{luatexja-otf}

\begin{document}

{\mcfamily\ltseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(明朝体・細字)}\par
{\mcfamily          ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(明朝体・中字)}\par
{\mcfamily\bfseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(明朝体・太字)}\par

{\gtfamily          ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(ゴシック体・中字)}\par
{\gtfamily\bfseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(ゴシック体・太字)}\par
{\gtfamily\ebseries ☂ は夜更け過ぎに ☃ へとかわるだろう。(ゴシック体・極太)}

\end{document}

2行目の luatexja-preset パッケージの指定で原ノ味フォントを指定してるのがお分かりだろうか2。 これを lualatex コマンドで処理する。

組版結果(原ノ味フォント使用)

組版結果はこちら。

LuaLaTeX 出力結果(原ノ味フォント使用)
LuaLaTeX 出力結果(原ノ味フォント使用)

$\mathrm{up\LaTeX}$ と同等の出力になっている。 よーし,うむうむ,よーし。

ブックマーク

参考図書

photo
[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門
奥村 晴彦 (著), 黒木 裕介 (著)
技術評論社 2017-01-24
大型本
4774187054 (ASIN), 9784774187051 (EAN), 4774187054 (ISBN)
評価     

ついに第7版が登場。紙の本で買って常に側に置いておくのが吉。

reviewed by Spiegel on 2017-09-27 (powered by PA-APIv5)


  1. 全体設定では kanji-config-updmap-sys コマンドを,ユーザ毎の設定では kanji-config-updmap-user コマンドで使い分ける。当然ながらユーザ毎の設定のほうが優先されるのでご注意を。 ↩︎

  2. TeX Live 2020 の $\mathrm{Lua\LaTeX}$ では luatexja-preset パッケージの既定が原ノ味フォントになっているようで,フォントを指定しない場合は原ノ味フォントで組版される。 ↩︎