さて,先週 Twitter 界隈で騒ぎになった事件について。
ぼちぼちと情報が出始めているようなので,覚え書きとして記しておこう。
今回の事件について Bruce Schneier 先生によるエッセイが公開されている。
事件を一言で言うとこんな感じ。
件の「誰か」が Twitter のシステム管理者からどうやって認証情報を引き出したのかはよく分かっていないようだ。
従業員への賄賂の可能性やら SIM スワッピング攻撃やら,様々な可能性を考慮して捜査中らしい。
Twitter 側は今回の件に関して,被害に遭っていると思われるアカウントを一時停止した。
その後はほぼ復旧しているらしい。
今回のポイントは通常の認証の問題(パスワードの複雑性や2要素認証など)をすっ飛ばして,直にシステムに入り込みやりたい放題にされてしまったことだろう。
これでは私達一般利用者は対処のしようがない。
Class Break
とは,ひとつまたは関連する複数のシステム間で共通の脆弱性を持ち,その脆弱性を使って全てが一気に破壊される状況を指す。
Class Break
については Bruce Schneier 先生のあの本にも言及がある。
不幸中の幸いというか,今回は金銭絡みの比較的穏便(笑)な詐欺だったが,可能性としてはもっと大規模なこともできた筈である。
あるいは今回は何かの前準備なのか? この件で4年前の米国大統領選挙を連想した人は多いだろうねぇ。
Class Break
について面白い喩えがある。
洪水や地震への対策と同じように Class Break
への対策も中長期的なタイム・スケールで考えないといけないということだろう。
先ず,どこに問題があるか洗い出すところからだけど(笑) そういう意味で今回のケースは(ゼロトラスト・セキュリティの観点からも)教訓になる筈である。
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