改訂第8版『LaTeX2ε美文書作成入門』を眺める
Twitter の TL を見て気が付いた。
あれ? 『LaTeX2ε美文書作成入門』の第8版って出てるの? 完全に見落としてたよ orz
『LaTeX2ε美文書作成入門』は Kindle 版もあるし版元で買えば PDF 版もあるんだけど,今回は紙の本を買った。 この手のリファレンス本は,一覧性という観点では,まだ紙のほうが有利。 デジタル版が好みなら PDF 版を買うのがいいだろう。 悪いが,この手の本で Kindle 版はない。
第7版からの3年間で大きく変わったことといえば $\mathrm{Lua\LaTeX}$ 日本語環境の台頭だろう。 序文でも
と書かれている。 えっ,これ原ノ味フォントなの? そういや巻末に原ノ味フォントの全グリフが載ってるな(笑)
入力環境(第2章)についても真っ先に Cloud LaTeX が紹介されているし1(これは第7版でもそうか),コラム内とはいえ VS Code 用の LaTeX Workshop が紹介されていたりする。 また jleq ドキュメントクラスについても14章で詳しく解説している。 時代が変わったんだねぇ。
グラフィック周りについては第7版に引き続き付録Dで $\mathrm{Ti}k\mathrm{Z}$/PGF を詳しく解説している。
とか書かれてあって,ちょっと笑ってしまう。
第8版では R, gnuplot 以外に Python を使った例を挙げている。
ちなみに Go 言語でも gonum.org/v1/plot パッケージで $\mathrm{Ti}k\mathrm{Z}$ 出力をサポートしている。
また,みんな大好き DOT 言語でも dot2tex というツール(Python 製)を使うと $\mathrm{Ti}k\mathrm{Z}$ 形式に変換してくれるらしい。
もっとも dot2tex には dot2texi
$\mathrm{\LaTeX}$ パッケージもあるようなので,こっちのほうが便利かもしれないが。
あと PlantUML でもベータ版ながら $\mathrm{Ti}k\mathrm{Z}$ 形式に対応しているようだ。
ぶっちゃけ PDF を最終出力とするのなら $\mathrm{Lua\LaTeX}$ で必要十分だよな。 まぁ,論文を書くとなると各学会用のドキュメントクラスを使わないといけないので簡単ではないだろうが。
最近は $\mathrm{Lua\LaTeX}$ を直にゴリゴリ書く機会は無くなったが『LaTeX2ε美文書作成入門』を眺めていると色々遊びたくなってくる。 今の仕事が落ち着いたら試してみたいところである。
ブックマーク
- TeX Wiki
- LaTeX Workshopってなに?どうやって使うの?調べてみた! - Qiita
- TikZ実例集〜2Dグラフ編 - Notes_JP
- TikZ実例集〜3D編 - Notes_JP
参考図書
- [改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門
- 奥村晴彦 (著), 黒木裕介 (著)
- 技術評論社 2020-11-14
- 大型本
- 4297117126 (ASIN), 9784297117122 (EAN), 4297117126 (ISBN)
- 評価
2020年末に第8版が出てたのに気付かなかったよ。可能なら紙の本も買って常に側に置いておくのが吉。版元には PDF 版もある。
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Cloud LaTeX 連携用の VS Code 拡張機能があるんだな。 ↩︎