GnuPG 030周年(笑)と寄付の話
12月20日は最初の GnuPG がリリースされた日ということで記念の tweet が上がっていたが
とあり,さらに
と tweet されている。 8進数は思いつかなんだ。 再来年は私も真似しよう(笑)
寄付云々の話はピンとこない人もいるかもしれないが,実は GnuPG プロジェクトは財政的に困窮していた時期があり,作者の Werner Koch はプロジェクトを放棄することも考えていたらしい。
- The World’s Email Encryption Software Relies on One Guy, Who is Going Broke — ProPublica
- Once-starving GnuPG crypto project gets a windfall. Now comes the hard part | Ars Technica
当時は Edward Snowden による NSA 内部告発や OpenSSL の脆弱性で発覚したオープンソース・プロジェクトにおける人的・経済的リソースの不足などが背景としてあり,個人・法人を問わず寄付が集まったおかげで GnuPG で人を雇えるほど財政が持ち直した経緯がある。
前にも書いたけど,オープンソースの功績・貢献をお金に換えることについては昔から議論があるが,一般的に「これだ!」と言えるものはない。 一時期はデジタル補完通貨1 と FinTech で皆ウハウハみたいな話もあったが,あれって本当に儲かってるのは miner と山師だけだろう。
寄付は「消費」ではない。 個々人の意思による明確な社会参加の形である。 この手の話は今後も泡沫のように出てくる話題なのだろう。
参考図書
- 暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
- スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
- 紀伊國屋書店 2002-02-16
- 単行本
- 4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
- 評価
20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!
- 暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
- 結城 浩 (著)
- SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
- Kindle版
- B015643CPE (ASIN)
- 評価
SHA-3 や Bitcoin/Blockchain など新しい知見や技術要素を大幅追加。暗号技術を使うだけならこれ1冊でとりあえず無問題。
-
暗号通貨とか暗号資産とか言ってやらん(笑) ↩︎