波乗りプログラマ

no extension

(この記事は Twitter に書き散らしたものを再構成したものです)

起点はここから。

この tweet からの一連は実際に Twitter で見ていただくとして,プログラミング言語の「トレンド」はだいたい2,3年おきに入れ替わる。 学生にとって3年は長い時間かもしれないが,仕事してる人にとって3年は短い。 このタイムスケールで「トレンド」を追いかけることに意味は殆どないと断言してしまおう(笑)

ネットでも「COBOL は終わった」「まだだ!まだ終わらんよ」みたいな話はしょっちゅう聞くし,私自身「Java はやめておけ」と言って憚らない人間だが,実際の世の中は汎用機は捨てても COBOL は捨てられないシステムも多いし,私も今だに Java コードで四苦八苦している。 こういった仕事がなくなることは短期的にはないだろう。 だからといってそれらの言語を若い人に勧めるかというと,それは別の話。

yomoyomo さんの翻訳記事に「プログラミングを独習するには10年かかる」というのがある。 20年以上前の Java に関する記事だが主な主張に関しては他の言語どころか他の業界に置き換えても同じだろう。

研究者 (Hayes, Bloom) によると、チェス、作曲、絵画、ピアノ演奏、水泳、テニス、そして神経心理学や位相幾何学の研究を含む、広範な分野のいずれについても、専門技術を身につけるにはおよそ10年かかるそうだ。近道など実在しないようなのだ。4歳にして音楽の神童だったモーツァルトでさえ、超一流の楽曲を作り出すまでに13年以上を要している。別のジャンルになるが、ビートルズが突如現れナンバーワンヒットを連発し、エド・サリバン・ショーに出演したのは1964年だった。しかし、彼らは1957年からリバプールやハンブルグの小さなクラブで演奏していたわけで、また彼らは初期から大衆の支持を獲得したが、彼らがはじめて批評的にも大きな成功を得た『サージェント・ペパーズ』がリリースされたのは1967年である。サミュエル・ジョンソンは、「どんな分野であれ、生涯にわたる努力なくして優れたものには達し得ない。それよりも安い代償で手に入れることはできないのだ」と、それには十年以上かかると考えた。またチョーサーも「人生はとても短く、技を習得するにはとても時間がかかる」と嘆いている。

この記事を勝手に読み替えるなら「仕事でプログラミング言語を習得し使いこなすにはそのくらいのタイムスケールで考えなければならない」ということだろう。 言い方を変えるなら,たかが2,3年の「トレンド」で言語を評価するなどナンセンスである。

10年というのは人生の「就労時代」の1/4から1/3の期間に相当する。 でも「トレンド」で考えるならその10年の間に最低でも2回は入れ替わりがあるということになる。 如何に刹那的か分かるだろう。

もちろん,どの業界でも「波の最先端」は常に意識して情報を仕入れていく必要がある。 でもその最先端に立っている人を羨み波の尻尾を必死に追いかけるだけでは何も身につかない。 「鶏口となるも牛後となるなかれ」とはよく言ったものである(笑)

「推測するな計測せよ」の IT 業界では広く集めた「情報」を実際に試して「技能(スキル)」として深堀りし「技術」として昇華していかなければならない。

技能はモノに付くが技術はヒトに付く

これは私がペーペーの新人の頃に当時のボスに叩き込まれた言葉だ。 企業は技能を求めるが,最終的に「個人」に残るのは技術だけだ。 当然ながら辿り着くまでには時間がかかるし,明確なゴールもない。

某恋愛ラノベ作品に「お金がなければ浮気もできない」というフレーズがあって思わず笑ってしまったが,お金で買える最も価値あるものは自由と時間である。 職業ソフトウェア・エンジニアはプログラミングを「技術」として身に付けるために時間をかけるし,その時間を稼ぐために少なくないお金を使う1

メディアは「波」のさきっちょしか見ないし,さらにその先は語れない。 たかが3年先の予測さえ外すのがメディアである。 競馬の予想屋に現金を預けてはいけない(笑)

ブックマーク

参考図書

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アプレンティスシップ・パターン ―徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得 (THEORY/IN/PRACTICE)
Dave H. Hoover (著), Adewale Oshineye (著), 柴田 芳樹 (翻訳)
オライリージャパン 2010-07-08
単行本(ソフトカバー)
4873114608 (ASIN), 9784873114606 (EAN), 4873114608 (ISBN)

出版元でデジタル版を購入可能。いわゆる「徒弟制度」を参考に「技術」を習得するための考え方を示す本。なんだけど,まだ読み終わってない。

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ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方
Jonathan Rasmusson (著), 島田 浩二 (翻訳), 角谷 信太郎 (翻訳)
オライリージャパン 2021-04-26
単行本(ソフトカバー)
4873119464 (ASIN), 9784873119465 (EAN), 4873119464 (ISBN)

出版元でデジタル版を購入可能。今度の読書会の教科書。

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波乗りジョニー
桑田佳祐 (メインアーティスト)
TAISHITA 2001-07-04 (Release 2019-12-20)
MP3 ダウンロード
B082FWNFPG (ASIN)
評価     

個人的にカラオケ定番曲のひとつ。桑田佳祐さんの曲は音域が合ってるみたいで歌いやすくてよい。

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  1. 考えてみたら,自由と時間を買うためにお金を稼ぐのに,お金を得るために自分の時間を売り飛ばすのは本末転倒だよな(笑) まぁ,私達ビンボー人はお金がないと死んじゃうからな。 ↩︎