『ユニコーン企業のひみつ』読書会(2)
先月から始まった『ユニコーン企業のひみつ』読書会の2回目。
今回は4章から9.4章までだったが,内容盛り沢山なので複数回に分けて紹介する。
ところでヘッドセットのマイクの調子が悪いのよ。 自分の声は聞こえないので分からなかったが,過剰にノイキャンが効いてる感じらしい。 観念して USB 接続のマイクを発注した。 とほほ
- audio-technica USBコンデンサーマイク 在宅勤務/録音/動画配信/ポッドキャスト AT9933USB
- Audio Technica(オーディオテクニカ) (Release 2015-02-13)
- エレクトロニクス
- B00T5ANN00 (ASIN), 4961310129798 (EAN)
Bluetooth 接続のヘッドセットの調子が悪いので,マイクだけ USB 接続のものを買ってみた。
目次
“There is No Spotify Model”
今回の範囲からは外れるが,読書会で以下の記事が紹介されていたので共有する。
実はこの辺の話は「訳者あとがき」で少し言及されている。 「訳者あとがき」によると
とある。 前回紹介したようにスタートアップが「学習する機械」であり「失敗はゲームの一部」であるなら,マネジメントそのものも同様にイテレーションしているだろうと想像できる。
じゃあ『ユニコーン企業のひみつ』はもう古くて使えないのかというと,さにあらずで
と記されている。
「訳者あとがき」ではこの辺の話を含め『ユニコーン企業のひみつ』以外の本も紹介されているので「いまさら Spotify モデルかよ!」という人は「訳者あとがき」を立ち読みするところから始めてもいいかも知れない(笑) ちなみに『ユニコーン企業のひみつ』で「文化」の話は9章で登場する。
前説おわり。
トライブ(Tribe),チャプター(Chapter),ギルド(Guild)
トライブ,チャプター,ギルドは Spotify が考案した組織の概念で,スクワッドの機能を全社レベルにスケールするための構造化と言える。 ひとつずつ見ていこう。
トライブ
トライブは前回紹介したスクワッドを束ねたものだ。 といってもトライブはスクワッドの上位組織ではなく
であり,あくまでも自律(フルスタック)した小さなチームである「スクワッド第一」で
ということらしい。
チャプター
チャプターはトライブ内のスクワッドを横断し,同じ専門性を持つメンバーで構成されるグループだ。 スクワッドを縦串とするならチャプターは横串と考えてもいいかも知れない。 ただし,いわゆる「マトリクス組織」構造における「人材プール」ではないらしい(私はいまいちピンとこなかったが)。
ギルド
ギルドは
だそうな。 緩い技術交流コミュニティ,あるいはもっと緩い勉強会みたいなイメージだろうか。
スクワッド・トライブの自己組織化
4.7章でトライブの面白い例が紹介されている。 多めの引用はご容赦。
なんとなく「スクワッドが寄り集まってトライブを形成する」みたいなイメージで考えていたのだが,最初から構造化されたスクワッド・トライブを構成して,そこに向かって各々サインアップするって感じなのね。
ここまで読み進めるとチャプターが「人材プール」ではないと述べられていることの意味が少し分かる。 上から辞令が降りてくるわけではないのだ。 スタートアップ内では自分の仕事は自分で見つけないといけないらしい(笑) 言い方を変えるなら,それができる「人材」こそがスタートアップでは求められているわけだ。
カンパニーベット(Company Bet)
「カンパニーベット」も Spotify の用語だそうで
を指すらしい。 もちろん,ただ漫然と優先順位を決めるのではなく DIBB (Data, Insight, Belief, Bet) と呼ばれる意思決定フレームワークに基づいて決定していく。
前節の「スクワッド・トライブの自己組織化」とは異なりカンパニーベットは上から降りてくるメッセージだ。 とはいえ,これは業務命令ではない。
カンパニーベットは,喩えるなら,現場のエンジニアの向きを揃える整流器のようなものだろうか。
というわけで…
次回へ続く。
参考図書
- ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方
- Jonathan Rasmusson (著), 島田 浩二 (翻訳), 角谷 信太郎 (翻訳)
- オライリージャパン 2021-04-26
- 単行本(ソフトカバー)
- 4873119464 (ASIN), 9784873119465 (EAN), 4873119464 (ISBN)
- 評価
版元より電子版も出ている。 Google や Spotify のような「ユニコーン企業」はどのようにして「ミッション」を遂行しているのか。