Mastodon/Misskey は Twitter にはなれない
最近 Misskey.io が急激に煩くなってきて「なぜ? いまさら?」と思ってたのだが,どうやら「日本製であることから日本人の間でtwitterからの移行先として注目されています」ということで,特定のコミュニティが Twitter や Mastodon からまとめて移住してきたっぽい? 移住者が同じサーバに殺到すれば,そりゃああなるわな,知らんけど。 Misskey.io の知ってるアカウントをいくつかフォローしてみたが,あまりに煩いので,ホーム TL から隔離して専用リストで様子見をしている。
私が Fedibird に移住を決めた最大要因は「ローカル TL がないこと」だったので,件の記事の「分散型SNSはローカルタイムラインが本体であり、インスタンスごとにコミュニティを形成しているから」というのは同意しかねるものがある。 けど,まぁ,世間的にはそういうことなんだろう。
実際,他所から移住してくるときはコミュニティ単位だったり,あるいは大勢のオーディエンスを引き連れてくる場合が多いのかもしれない。 SNS だからね。 「分散型SNSはローカルタイムラインが本体」というか「連合型 SNS の各サーバは,その構成員で色が決まる」ということだろう。 どんな色か見たければローカル TL を眺めるしかない。 だから色が見えない Fedibird の設計は,汎用サーバとしては秀逸だと思うけどねぇ。
Mastodon にせよ Misskey にせよ,サーバのスケールアップは簡単じゃない。 お金で殴れる財力があれば別だろうけど,その場合でも,そこにお金をつぎ込むインセンティブが(サーバ管理者側に)あるのかという問題もある。 Fedibird も2月に入って招待ユーザ以外の受け入れを停止してる。
あれだな。 かつてシリア内戦で大量の難民が欧州各国に向かったけど,受け入れ国側も受け入れる余白に限りがあるので,そこでまた国際政治問題に発展したみたいな(喩えが物騒)。
スケールの問題を解決するにはエンジニアとお金を集める必要がある。 エンジニアやお金を集めるためにはどうしても企業・組織の形態を取らざるを得ない(寄付だって受ける側がただの個人では限界がある)。 だから Fediverse では連合という形でスケールの問題を回避しようとしているのに,結局は有象無象が群れて行動するから移住先サーバが「Twitter 化」してしまうんだよな。 これに耐えられないサーバは新規のお客さんを断るか,最悪は店じまいするしかない。
結局のところ Twitter の代替となるものはない。 Mastodon も Misskey も,最近流行りらしい Nostr も Twitter の代わりにはならない。 考え方が根本から違うからだ。 単一でカオスでスケールする プラットフォーム が望みなら,某マスク氏が何をしようが,お金を払わないと使いものにならなくなっても Twitter にしがみつくしかない。 「離脱の自由」などク◯喰らえである。 そもそも代替となるものがないのだから。 代替を探すなど無駄な努力は止めて有料会員になるか広告料をバンバン払って TL を広告塗れにするほうが建設的だろう。 私は嫌だけど(笑) それをするくらいなら Fedibird Project に寄付する。
そういや,最初期の Twitter は全ユーザの tweets を表示する TL があったんだよね。 いつなくなったんだっけ? まぁ Twitter ですら無理なものを Mastodon や Misskey ごときにどうにかできるはずがない。
ブックマーク
参考図書
- ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方
- Jonathan Rasmusson (著), 島田 浩二 (翻訳), 角谷 信太郎 (翻訳)
- オライリージャパン 2021-04-26
- 単行本(ソフトカバー)
- 4873119464 (ASIN), 9784873119465 (EAN), 4873119464 (ISBN)
- 評価
版元より電子版も出ている。 Google や Spotify のような「ユニコーン企業」はどのようにして「ミッション」を遂行しているのか。