VTuber に満たない Bluesky
いやぁ,夏っスねぇ。 九州はまだ梅雨が明けてないのに,本州は明けてしまったらしい。 相変わらずテキトーだな,気象庁,いや地方気象台か?
昨日も自転車で遊びに出かけたのだが,日中が暑すぎて図書館から出れなくなったり。 しょうがないので昼飯食いに路線バスで移動したですよ。
Threads のリリースですっかり影が薄くなった Bluesky は昨日時点でユーザ総数が34万人を超えたらしい。 同じ日, VTuber の周防パトラの「70万人いくまでギターを弾き続ける耐久!」ライブが行われていた。
念のために言っておくが, Bluesky は今(2023-07 時点で)なおクローズドベータ状態で,サインアップするためには wait list に登録するか誰かから招待コードを貰うしかない。 でも,単純に言って Bluesky のユーザ規模の倍以上のオーディエンスがいるわけですよ,彼女には。 もちろん世の中にはもっと上の桁のオーディエンスを抱える有名人もいるわけで。
先日,またもや Twitter がやらかしてかなりのユーザが Mastodon や Bluesky 等に流れ込んだわけだが,自前でどうとでも調達できる(クラウドという名の)計算資源を持ってる「ビッグテック」と違って「その他大勢」のサービスでは,とつぜん難民が押し寄せたからといってリアルタイムにスケールアップできるわけじゃない。 実際,新規登録を制限してるはずの Bluesky でさえ一時的にサインアップを止めざるを得なかった。 おそらくサーバ資源の増強をしてたんだろう。
Mastodon サーバのひとつで私がメインで利用している fedibird.com のユーザ総数は現在33K人を超えたあたりで,アクティブユーザに限れば10K人ほどらしい1。 そんで,ランニングコストは145K円/月ほどだそうな。 この規模なら,単純計算で各アクティブユーザが300円/年ほど寄付すれば(少なくともランニングコスト分は)賄えるとのこと。
この中に人件費は含まれてないだろうし,累積赤字がけっこうあるらしいので「お金なんてナンボあってもいいですからね」って感じだろうけど。
実は昨年末に Hostdon で(何かに使えるかなと思って)ホスティングサービスを契約していたのだが,何もしないまま先月解約した。 ホスティングサービスに500円/月払うくらいなら fedibird.com に寄付するほうが全然安上がりだろうという判断。 不特定多数相手の汎用サーバだとコンプライアンスが云々とかあるので,特殊用途(TRUTH Social とかw)ならホスティングのほうがいいんだろうけど(あとはセルフブランディングで独自ドメインを使いたいとか),結局私には用がなかった(笑)
Mastodon のサーバで最大規模のユーザを抱えているのが mastodon.social で,2023-07時点で1.5M人に満たないくらい。 ちなみに mastodon.social 以外に1M人を超えるユーザを有しているサーバ(Threads のような連合しないサーバは除く)は今のところ存在しない。
もし Mastodon 連合が全体で1億人を超えるユーザを夢見るなら,ものすごく単純に考えても mastodon.social 規模のサーバが100は必要になる。 実際には ActivityPub で「連合」する Mastodon サーバの総数は18Kほどだが全体のユーザ総数は13M人を超えたあたりのようだ2。
こうしてみると Threads が単体で初日で10M人ユーザを獲得したのは計算資源の調達からして並大抵ではないし,これが将来 ActivitiyPub 連携で Fediverse に加わるかもしれない考えるとぞんぞがさばる(出雲弁)。
クラウド資源あるいはサービスの利用はすぐに始められるので,個人利用やスタートアップでは使い勝手がいいが,スケールについて真剣に考え始めると足枷になることも多い。 クラウドで無制限にスケールできるのはクラウドの所有者(社)だけだろう。 あるいは札束で明かりとりをする成金か(笑) 喩えるならクラウドは砂漠の水売りみたいなもんで,ゼロ年代に言われてた「情報ダム」のような公共イメージとは程遠い。
…てなことを耐久ライブを見ながら考えてた。 そうそう,70万ユーザ登録おめでとうございます。
結局のところ Twitter が本当に沈没しても代わりになるようなサービスは存在せず,某タイタニック号のごとく全てを道連れにするしかないのだ。 これは他の単一プラットフォームの大規模 SNS でも同じ。 たとえば私は広島時代の友人の近況を見るためだけに Facebook を使ってるが,仮に Facebook がサービスをシャットダウンしても代わりになるものがなく,旧友との関係も「ハイそれまでョ」になりかねない。 これはそういうものだと割り切るしかないだろう。
ただ,自分自身がネットから切り離されないよう,特定の企業・サービスの思惑に巻き込まれることなく,依存をできるだけ少なくするようにしないと。
ブックマーク
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Threads isn’t for news and politics, says Instagram’s boss - The Verge
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Twitter対抗の分散型SNS「Threads」が登場することでMastodonは変わるのか?をMastodonのCEOが解説 - GIGAZINE
参考
- ハイそれまでョ
- 植木等 (メインアーティスト)
- EMIミュージック・ジャパン 2008-10-22 (Release 2015-07-22)
- MP3 ダウンロード
- B011LC4D58 (ASIN)
- 評価
「クレイジー・キャッツ・デラックス」より。昭和を代表する歌謡曲(笑)