すんません 🙇
最初このタイトルをみたとき Cory Doctorow さんがまた「チョークポイント資本主義」絡みで書いた記事の翻訳かと思ったのよ。
全然違ったけど(笑)
これの原文 については翻訳された yomoyomo さんの先月のブログ記事で紹介されてたわ。
英語不得手なので翻訳された序文しか読んでないが,簡単に言うと,いわゆる「電子書籍」では本を「所有」できないと言われてるんだけど,それってどゆこと? といった感じの話のようだ。
この序文の中で個人的に一番刺さった文章がこれ:
あー,なるほど。
要するにこれって「消尽」原則を迂回するハックなんだ。
なお,ここで言う「ハック」は Bruce Schneier さんの『ハッキング思考』に出てくる定義で考えると分かりやすい。
読者・視聴者に「それ」を所有させず,読む・観る・聴くといったアクセスのみを許す。
これによって出版社は購入後も「それ」をコントロールできるし,プラットフォームを提供する企業はユーザをサービスに幽閉しストーキングできる(言い方!)
ちなみに,上述の構造をクリエイターの立場で論じ批判するのが「チョークポイント資本主義(Chokepoint Capitalism)」である。
さらに “The Anti-Ownership Ebook Economy ” では図書館についての言及があるようだ。
そういえば4年前に書いた「本の「史料」的価値」という記事で yomoyomo さんの『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて』が紙の本になって国会図書館に納本されたという話をネタにして
と書いたが,ホンマ,つくづく「思えば遠くへ来たもんだ」って感じである。
というわけで『ハッキング思考』は読んどきなはれ,というお話でした。
ブックマーク
参考文献
- 本の未来 (Ascii books)
- 富田 倫生 (著)
- アスキー 1997-02-01
- 単行本
- 4756117074 (ASIN), 9784756117076 (EAN), 4756117074 (ISBN)
- 評価
e-book の未来を予見する試みの書。あるいは本とコンピュータの関係について。青空文庫にも収録されている。
reviewed by Spiegel on 2019-01-02 (powered by PA-APIv5)