「東西出雲の王」を聴講する

「東西出雲の王」を聴きに行く

今年は出雲地方の大型古墳が国の史跡として指定されてから100周年なんだそうで。 あちこちでイベントが開かれている。 島根県外でもイベントが予定されているらしい。

• 明治大学アカデミーホール: 第7回古代歴史文化講演会｢古墳時代の王権と地域｣ | 古代歴史文化協議会
• 有楽町朝日ホール: 【申込開始】古代出雲文化シンポジウム「六世紀の出雲とヤマト―出雲の大型古墳を語る―」 | 島根県古代文化センター
• しまねの古代文化探訪ツアーⅠ・Ⅱ参加者募集 | 古代歴史文化賞

松江市内のイベントとしては以下の公開講座が予定されている（全4回，要事前申し込み）。

• 島根の歴史文化講座　2024 | 島根県古代文化センター

今日は1回目の「出雲の大型古墳 国の史跡指定100年 東西出雲の王」。 市報を見て事前に申し込んでいる。

その前に久しぶりに松江城へ。 そういえば昨日から水燈路が始まってる。

今年は夜に見に行く予定はないので昼間のうちに写真に撮っておいた。 ちぃっと早いが昼飯を食っておこう。

時間になったのでテルサ1階のホールへ。 座席がねぇ。 大昔の映画館みたいなシート。 メモ書き用に Chromebook も持っていったのだが，テーブルがないので使えず。 座席が狭いので膝の上に置いて打ち込むのも無理。 紙のメモ帳も持っていってよかった。

入口で資料をもらう。

「東西出雲の王」に関する覚え書き

以下，箇条書きで覚え書きを記しておく（思い出すたびに随時更新する）。 「？」が付いているのは私の理解が怪しい部分。

• 6世紀後半に入り（古墳時代後期），古代出雲の東西で大型の古墳が造られ，それぞれ周辺地域を平定する力の強い首長の出現が推測される
• 東側は今の松江市意宇平野にある山代二子塚前方後方墳，西側は出雲市にある今市大念寺前方後円墳が大型古墳の代表。いずれも1924年（大正13年）に国の史跡に指定された
  • 東側は前方後方墳および方墳，西側は前方後円墳および円墳が多いが例外もある
    • 松江市には山代二子塚古墳よりあとに造られたとされる前方後円墳が3基見つかっている。域外から来た有力者の墓か？
    • 出雲市の宝塚古墳は今市大念寺古墳よりあとに造られたと考えられるが大型方墳の可能性もあり（墳丘が削られており元の墳形が分かってない），もしそうであれば東側が西側を征服したとする東西出雲論（後述）を補強するかもしれない？
• 古墳から発掘された副葬品や出雲風土記¹ の記述などから東側の埋葬者は蘇我氏陣営，西側の埋葬者は物部氏陣営と思われる
  • 特に東側の前方後方墳（および副葬品の配置）は独特の特徴を持っているため，東側の首長は倭王権² 下でも特殊な立ち位置だったと思われる
    • 山代二子塚古墳の埋葬されているのは出雲国造の祖先と推測されているが，異論もあるらしい（古墳に誰が埋葬されているのか特定するのはかなり難しい）
  • 最終的には東側が西側を征服することで出雲が統一されたと考えられてる。これがいわゆる「東西出雲論」
  • これに対し，東西は対立関係ではなく連合国のように？ 一体となって出雲全体を支配していたとする説もあるらしい
    • 副葬品に東西で共通の特徴を持つものもある他，古墳の内部構造で同じ技術者集団を連想する部分もあるらしい（内部構造自体は東西で大きく異なる）。少なくとも東西で何らかの交流はあった？
• 古墳の内部構造は，東西いずれも，畿内より北部九州の影響が大きい？
• 以降，古墳時代終末期に向けて大型古墳は造られなくなるが，これは時代背景によるものであり，必ずしも力の強い首長がいなくなったことを意味しない

古代出雲の氏族については3回目の講演で言及があるみたいなので，忘れずに申し込んでおかないと。

出雲市にある遺跡は足がないので見に行けないが，松江市内の遺跡については今後はもう少し系統立てて見学できるようになるかも知れない。

さて帰ろう

参考