“VTuber” の終わりの始まり?
おかげさまで年末年始は土日を含めて9連休をいただいて,久しぶりにのんびり(自堕落?)している。 で,前の記事でも書いたように VTuber の配信を聴き流しながら作業をしてたりする。 はるか昔の大学受験生時代は深夜ラジオ番組を聴き流しながら勉強してたものだが,あのときの再現だなぁ,と懐かしくなった。
ただ「聴き流す」となると,どうしても「トークの上手い人」に偏るんだよね。 「儒烏風亭らでん」とか1(笑) この辺も昭和の深夜ラジオと同じ(今もそうかも知れないけど)。
その年末配信で私が面白かったと思う配信が以下:
- 【コラボ】諸星めぐるさんと一緒!クリスマス会+忘年会するよ~!🎄🥂【古代日本史VTuber きら子】 - YouTube
- 【#かなたま業界予想】Vtuber2025年業界予想&2024年表批評👨🏫【犬山たまき/かなえ先生】 - YouTube
毎度の言い訳で申し訳ないが,私は2023年頃からようやく VTuber を認知し始めた,完全な late majority 層(なんなら laggards 層)なので,古参 VTuber とか全く知らないし「諸星めぐる」がちゃんと喋ってるのを聞くのもこの配信が初めてだったりする。
このように VTuber に関しては「ミリしら」状態だったので『VTuber学』とかはかなり参考になったのだが,どうにも違和感が拭えず。 新参者の私から見て,本に記述されていることと今の配信傾向との間にギャップを感じてしまうのだ。 たぶん無理に VTuber で括ろうとして,逆に VTuber を上手く記述できてないんじゃないだろうか?
というわけで「諸星めぐる」が編集長となって民俗学的なアプローチを執る「雑誌Hukyu」には少し期待している。
田舎住まいの私でも買えるかなぁ…
そうして年末ギリギリに配信された2025年業界予想を観た。 私はその筋の人ではないので「予想」の妥当性は分からないが「VTuber がどうって話は終わった」ってあたりのくだりには共感する。 VTuber という表現手段は今後もあり続けるし寧ろありふれていくだろうけど,文化的な現象として考えたときに “VTuber” で括るのはもう無理なんじゃないのかなぁ。 実写映画とアニメ映画の違いが(視聴者から見て)表現の違いでしかないように。
大晦日の hololive のカウントダウンライブとか見て「もうネットってテレビ以上にテレビなんだなぁ」とつくづく思った。 昭和30年代から40年代あたりのテレビ・ショウを連想させるんだよなぁ2。 今にして思えば,あの頃のテレビが一番勢いがあって面白かった気がするし(なにぶん子供の頃なので認知バイアスもあるだろうが),現代に於いてネットが特に YouTube がエンターテインメントを牽引してるってのは凄く分かりやすい構図な気がする。
以上,年末年始の感想文でした。 これで,こっぽし。
ブックマーク
参考文献
- VTuber学
- 岡本 健 (その他), 山野 弘樹 (その他), 吉川 慧 (その他)
- 岩波書店 2024-08-28 (Release 2024-08-28)
- Kindle版
- B0DBZ3QP7J (ASIN)
- 評価
VTuber を歴史的観点,理論的観点から記述していく試み。多様な論者が登場してなかなか面白い。Kindle 版も横書きで読みやすい。
- VTuberの哲学
- 山野 弘樹 (著)
- 春秋社 2024-03-20 (Release 2024-04-20)
- Kindle版
- B0D1V1WXRH (ASIN)
- 評価
VTuber を哲学的視点から記述していく試み。固定レイアウトなのでブラウザの Kindle Cloud Reader で読めるの助かる。
- あくまのかんづめ〜周防パトラのエッセイ集〜
- 周防パトラ (著)
- エムディエヌコーポレーション(MdN) 2024-08-09 (Release 2024-08-09)
- Kindle版
- B0D9LH6CW3 (ASIN)
- 評価
「個人Vtuber周防パトラは何者なのか?!」を見て衝動買い。泣いていいのか笑っていいのか分からん(褒め言葉)。これを読んで「推しちゃったっ!」を聴くと感慨深いかも。
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私の中で VTuber はまだ「コンテンツ」の印象が強く「さん」付けすることに心理的抵抗がある。でも呼び捨てもアレな気がするので,ブログでは今のところカッコで括って表記することにしている。おそらく慣れの問題だと思うので,多分そのうちブログでも普通に「さん」付けや「ちゃん」付けするようになるだろう。ちなみに Mastodon とかでは「さん」付けや「ちゃん」付けしてる。「パトラちゃん様」とか(笑) ↩︎
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hololive のカウントダウンライブは今年行われる予定の “hololive SUPER EXPO 2025” への導線として配置されていると思われる。だからあれだけのクォリティでも無料公開でミラー配信OKだったわけだ。そりゃあアレを見ればエキスポ行きたくなるよね,特に推しなら。こういうのを見ると,ネットのショウビジネスすげー! と思ってしまうよ。 ↩︎