AI が描く物語
オチなし記事。 どんどん行こう(笑)
AI が描く物語
今回の起点はこれ:
そういえば 𝕏 休眠中の私は Grok について全く知識がないわ。 ちょっと Kagi Assistant に訊いてみた。
Grokは、xAIによって開発されたAIアシスタントで、X(旧Twitter)プラットフォーム上で利用できます。質問への回答、問題解決、ブレインストーミングなどを支援するように設計されています。1
GrokはxAIの最先端の大規模言語モデル(LLM)を搭載しており、『銀河ヒッチハイク・ガイド』や『アイアンマン』のジャーヴィスから着想を得て、ユーモアを交えながら有益で洞察力のある応答を提供することを目指しています。1 2
Grokの大きな特徴は、Xプラットフォームを通じてリアルタイムの情報にアクセスできる点です。これにより、他のモデルと比較して大きな優位性を持っています。3 4 トレンド分析なども可能です。5
2025年2月20日には、Grok 3が無料開放され、有料プランのユーザーだけでなく、無料ユーザーも利用できるようになりました。6 7 ただし、無料開放はサーバー負荷による制限がある場合もあります。7
Grokは、ほぼすべての質問に回答し、さらにはどのような質問をすべきか提案することも意図されています。2 型破りな性格と、人類の部外者としての視点を持つ、ユニークで楽しいAIコンパニオンとされています。1
参考になるWebページとしては、以下のものがあります。
- Grok - xAI: https://x.ai/grok
- xAI: Welcome: https://x.ai/
- Xのユーモア溢れるAIアシスタント、Grokについて: https://help.x.com/ja/using-x/about-grok
- Grok: https://grok.com/
ええつと? これって Grok はエンターテインメント特化ってことなのか? ファクトが云々以前の問題じゃね? よーわからん。
プログラム・コードなら実際に動かしてみれば間違っていることが分かる。 まぁ悪意のコードを混ぜ込まれればどうなるか分からないが,今のところ AI はそこまで賢くなく(?)既存のコードを(要件に応じて)無難に組み合わせることしかできない。 プログラマにとってはそれだけで「助かる」のだが(笑)
でも社会的な事実や真実が何かなど分からなくて当たり前だし,大抵の人は確かめようもない(統計データの読み方とか読解力はあるという前提でも)。 むしろ事実や真実を(都合よく)再構成した「物語(narrative)」の上に存在するのが私達の人間社会である。 人間はコンピュータのようにデータをデータのまま記憶・再利用するわけではないからだ。 前期近代と後期近代(つまり現代)との違いは,その物語がどの程度に受容・共有されているかの差だ。 人の多様性とは物語の多様性である。
LLM によって機械は「言語的理解」に必要なピースを獲得した。
現在の大規模言語モデルのように広範な言語情報を獲得したAIは,すでに世界の地図を手にしたAIだ。
これにより機械は人間に(単なるデータではなく)物語を語れるようになった。
物語を語れる AI がアシストすることにより人間の認知の一部を(機械が)肩代わりできる。 これは人の能力を飛躍的に向上させる期待がある(これ自体がSFの鉄板の物語)一方で,認知する「世界」を容易に歪める事ができる(これもSFの鉄板)。 よく「ナーロッパ」ファンタジーで鑑定スキルが人格を持って主人公と対話を始めるというプロットがあるが,鑑定スキル自体が認知の一部を肩代わりする機能なのに,それが人格を持つとか,なかなかにホラーである(笑)
好むと好まざるに関わらず今の LLM を発端とする何度目かの AI ブームは確実に(情報化)社会の構造を変えるだろう。 かつて SNS の台頭が社会構造を変えたように。
人と人を繋ぐと期待された SNS が企業および政治の広告媒体に成り果て,人はそれらが提供する物語の消費に堕すると2010年代前半1 までに予測できた人はきっと少ないだろう。
同様に今の AI ブームが何をもたらすか予測するのは難しい。 言うだけなら(この記事みたいに)誰でもどうとでも言えるし,当たればドヤ顔されるだろうが。
【2025-05-23 追記】 AI アシスタントと広告
これも Kagi Assistant に要約させてみる。
Googleは、AI検索結果にさらに多くの広告を導入しています。具体的には、AI Modeでのテストと、デスクトップ版のAI Overviewsへの展開を進めています1。
AI ModeはGoogle検索の新しいタブであり2、AI Overviewsは検索クエリに基づいてAIが情報を要約し、検索結果の上位に表示する機能です3 4。これらのAIが生成する応答の中に、「sponsored」と表示された広告が表示されるようになります5。
上の要約にはないが一応米国リージョンでのテストということらしい。 まぁ,全世界展開でないのは広告主との契約関係からだろう。
「さすが Google! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ」って感じだろうか。 シビれもあこがれもしないけど(笑)
広告と(AI が描く)物語は,さぞかし相性がいいことだろう。 私は既に Kagi Search に移行済みなので大したインパクトはない。
Kagi products will always be free of ads and trackers. In fact, Kagi Search will actively down-rank sites with lots of ads and trackers in the results and promote sites with little or no advertising.
ブックマーク
参考図書
- 日経サイエンス2025年6月号 [雑誌]
- 日経サイエンス (編集)
- 日経サイエンス 2025-04-25 (Release 2025-04-25)
- Kindle版
- B0F64YN7KQ (ASIN)
- 評価
2025年6月号の特集は「好奇心に好奇心」。他には「1秒の定義を変える 原子時計のいま」「仲間はずれを作らない教室」など。固定レイアウトなのでブラウザで読める。
- はじめて学ぶ ビデオゲームの心理学 脳のはたらきとユーザー体験(UX)
- セリア ホデント (著), 山根 信二 (監修), 成田 啓行 (翻訳)
- 福村出版 2022-12-13
- 単行本(ソフトカバー)
- 4571210450 (ASIN), 9784571210457 (EAN), 4571210450 (ISBN)
- 評価
デジタル版が出そうもないので,諦めて紙の本を購入。ゲームデザイナやゲームエンジニアだけでなく,ソフトウェア・エンジニアは全員読むべき。あと,ゲーマーな人も読むといいよ。感想はこちら。
- FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- ハンス・ロスリング (著), オーラ・ロスリング (著), アンナ・ロスリング・ロンランド (著), 上杉 周作 (翻訳), 関 美和 (翻訳)
- 日経BP 2019-01-11 (Release 2019-01-01)
- Kindle版
- B07LG7TG5N (ASIN)
- 評価
データを元に世界を読み解くコツについて。全ての人に必見の本,かな。
- 社会は情報化の夢を見る (河出文庫)
- 佐藤俊樹 (著)
- 河出書房新社 2010-09-03 (Release 2016-07-29)
- Kindle版
- B01J1I8PRQ (ASIN)
- 評価
1996年に出版された『ノイマンの夢・近代の欲望―情報化社会を解体する』の改訂新装版。しかし内容はこれまでと変わりなく,繰り返し語られる技術決定論を前提とする安易な未来予測を「情報化」社会論だとして批判する。
- 後期近代の眩暈 ―排除から過剰包摂へ― 新装版
- ジョック・ヤング (著), 木下ちがや (翻訳), 中村好孝 (翻訳), 丸山真央 (翻訳)
- 青土社 2019-08-23
- 単行本(ソフトカバー)
- 4791772091 (ASIN), 9784791772094 (EAN), 4791772091 (ISBN)
- 評価
新装版が出てた。『排除型社会』の続編。現代社会の過剰包摂(bulimia)について。
-
2010年代前半といえば「アラブの春」によって SNS への期待が最高潮に盛り上がった頃である。その後,2016年の米国大統領選挙によってその評価は地に落ちるのだが。 ↩︎