GnuPG 2.2.17 リリース: 公開鍵サーバ・アクセスに関する過激な変更あり
くっそー。 Gmail の野郎が GnuPG からのアナウンスを迷惑メールとして処理してくれやがったので気づくのが遅れた。
GnuPG 2.2.17 のリリースである。
先日紹介した「OpenPGP 公開鍵サーバにおける公開鍵の汚染問題」を受けて公開鍵サーバからのインポートをかなり制限することにしたようだ。
詳細はこちら。
今回の変更で公開鍵サーバ上の公開鍵について付帯する電子署名は(自己署名を除いて)捨てられることになった。
以前の動作に戻したければ gpg.conf
に以下のオプションを追加する。
keyserver-options no-self-sigs-only,no-import-clean
しかし現時点でこれはおすすめできない。
また公開鍵のインポートで --self-sigs-only
オプションが使えるようだ。
状況に応じて使い分けるといいだろう。
ちなみに拙作の gpgpdump を使って,公開鍵をインポートする前に鍵の構成をチェックできる。 v0.6.0 から公開鍵サーバ上の公開鍵を直接チェックできるようにしたので上手く使っていただけるとありがたい。
後半の WKD (Web Key Directory) は 2019-07-10 現在ドラフト08が出ている。
- OpenPGP Web Key Directory draft-koch-openpgp-webkey-service-07
- OpenPGP Web Key Directory draft-koch-openpgp-webkey-service-08
今回の一連を受けて標準化と実装が早まるかもしれない。 私もちょっと検討してみようかな。 OpenPGP のメーリングリストでも議論が行われているんだけどスルーしてたんだよなぁ。
さて Ubuntu が今回のバージョンをちゃんとリリースしてくれるといいんだけど。
しないのなら本気で私的ビルドを
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参考図書
- 暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
- スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
- 紀伊國屋書店 2002-02-16
- 単行本
- 4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
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